駐車場緑化のメリットを紹介!効果・導入事例・助成金も詳しく解説

近年では、駐車場緑化が快適なまちづくりに重要な役割を果たすものとして期待されています。建設に関して、緑化義務が条例となっているケースも少なくありません。しかし、駐車場緑化を単なるコストアップと危惧されていないでしょうか。

この記事では、駐車場緑化のメリットや導入事例について解説。助成金によって費用負担を軽減できる方法についても紹介するので、参考にしてください。


駐車場緑化の種類や特徴

機械式立体駐車場の高さ制限

駐車場緑化は、平面駐車場と立体駐車場とで種類や特徴が違います。次の3タイプが代表的なものです。

● 緑化ブロックタイプ
● 芝タイプ
● 立体駐車場タイプ

順にみていきましょう。


緑化ブロックタイプ

緑化ブロック(植生用ブロック)とは、各自治体の「緑化制度」に対応した駐車場舗装用ブロックです。植栽と土が入ったトレイを駐車スペースに設置します。屋外の平面駐車場向きで、簡単に駐車場を緑化できるのがメリットです。植栽には芝生やタマリュウなど摩擦に強い植物が利用されています。


芝タイプ

芝タイプは、駐車スペースや通行部に芝を敷くタイプの緑化手法です。屋外の平面駐車場向きで、緑地面積を確保しやすいのが特徴です。雨水の浸透性に優れているため、下水設備の負担軽減にもつながります。植物の蒸発散作用によって地表面温度を下げる効果も期待できます。


立体駐車場タイプ

立体駐車場の場合、外構部だけでなく壁面や屋上の緑化も可能です。立体的に緑化できるため、面積以上の緑量が期待できます。鉄骨など無機質な見た目をカバーでき、都市部において心理的な癒しの効果もあります。


駐車場緑化の効果

駐車場緑化の効果

駐車場の緑化は、都市部において重要性が増しています。とくに次のような効果が期待されています。

● 温度上昇(ヒートアイランド現象)の緩和効果
● 吸音効果
● 景観アップ効果
● 心理的効果
● 緑地面積への算入効果

順にみていきましょう。


温度上昇(ヒートアイランド現象)の緩和効果

夏季の日中には、アスファルトの舗装面温度は60℃以上にもなります。アスファルト舗装面が多い駐車場から大気に放出される熱量は膨大で、都市のヒートアイランド現象要因のひとつとなっています。

駐車場緑化は、アスファルト面積を減らし、地表温度の上昇を防ぎます。緑化された駐車場とアスファルト舗装の駐車場と比較すると、表面温度が20度も違う調査結果も報告されており、ヒートアイランド現象の緩和が期待できます。


吸音効果

アスファルトのみだとタイヤの軋みやエンジン音が響きます。それに対して緑化ブロックや植物は音を吸収するため、騒音防止効果が期待できます。

立体駐車場の場合も同様で、外壁を植物で覆っていると、外へ音が漏れにくいため、近隣住民に対する配慮として効果的です。逆に交通量の多い道路に面している場合、駐車場内へ外からの騒音を遮断する効果が期待できるでしょう。


景観アップ効果

緑は、無機質なコンクリートだけの景観を和らげ、周辺環境との調和や潤いを与えます。都市美観向上にも貢献でき、癒しの空間として認識される効果も。鳥や昆虫などの小動物が生息できる場所を提供し、都市の自然回復として大きな役割を担っているといえます。


心理的効果

植物の変化によって四季を感じてもらえるため、見ているだけでリラックス効果を与えられます。また、快適な空間や憩いの場としてプラスのイメージを持たれやすく、顧客満足度も向上。

さらに美観に貢献することで、企業イメージアップの効果を得られるはずです。建設反対など負の感情を持たれた場合も、事業をスムーズに進めるための後押しとなるでしょう。


緑地への算入効果

地方自治体の条例などでは、緑化義務の面積基準が定められている場合も。駐車場を緑化すると緑地面積に算入でき、一定要件に適合すると優遇措置や補助金の対象になります。

例えば東京都の場合、1,000㎡以上(公共施設は250㎡以上)の敷地において緑化が義務づけられており、地上部空地面積の30%・屋上面積の30%などと定められています。

参照:東京都|駐車場緑化ガイド


自走式立体駐車場の緑化事例

自走式立体駐車場の緑化事例

平面駐車場の緑化は、芝や緑化ブロックにより比較的簡単に取り組めます。それに対して立体駐車場は、どのように取り組んでいるのでしょうか。事例として次の4つを紹介します。

● プランター型(ワイヤー式)
● 登はん型(ワイヤー&マット)
● 花壇型
● 屋上緑化型

順にみていきましょう。


プランター型(ワイヤー式)

ワイヤーメッシュに専用プランターを設置し、低い位置の壁面緑化に効果的な方法です。気候、日照に合った植栽を選べ、生育状態が悪い場合に新しい植栽と交換できるのもメリット。ただし、壁面の耐荷重と排水方法を考慮する必要があります。

メンテナンスを簡単にしたい場合は、ワイヤーにつる性植物をはわせる方法もあります。壁への負担を最小限に抑え、既存の構造物にも簡単に設置可能です。


登はん型(ワイヤー&マット)

壁面際に植栽した植物が登はんすることで壁面を緑化する手法です。壁面に直接はわせる場合は被覆に時間がかかりますが、コストを低く抑えられます。

壁面にワイヤーネットや格子状補助資材を設置する方法もあります。潅水は基本的に降水のみ、もしくは点滴パイプを敷設して必要に応じて潅水するため、維持管理も容易です。


花壇型

駐車場外周や外構部を花壇にする緑化手法は、以前から利用されていました。高木・中木・低木・地被類を組み合わせて植えることにより、遮光や遮音などの効果も期待できます。


屋上緑化型

駐車場の屋上部分を公園のように整備する緑化手法です。近隣住民の憩いの場やイベント開催場所として利用できます。耐荷重に問題がなければ、土厚を多くして高木植栽も可能です。

通常時は公園として使用し、災害時になれば避難場所として有効活用できます。緑化による環境への貢献だけでなく、地域住民のコミュニティ形成にも役立つでしょう。


駐車場緑化(屋上緑化)の助成制度

駐車場緑化(屋上緑化)の助成制度

地球温暖化防止やヒートアイランド現象の緩和のため、駐車場緑化に対して助成金を交付している自治体は少なくありません。その特徴や申請の手順を紹介します。

● 駐車場緑化の助成金とは
● 助成金取得のメリット
● 助成金取得の手順

注意点もあるので、申請を考えている場合は参考にしてください。


駐車場緑化の助成金とは

駐車場緑化には次のような目的があります。

● 地球温暖化防止
● ヒートアイランド現象の緩和
● 大気浄化

環境問題に取り組む一環として、新しく建設する建造物に一定割合の緑化を求める条例もあります。多くの自治体において、環境に配慮した民間の建物に助成金を出しているので、計画時に確認するといいでしょう。ただし、助成金の対象、内容、条件は、各自治体によって大きく異なるため、駐車場建設予定地がある自治体に問い合わせる必要があります。


助成金取得のメリット

助成金は、申請するだけで自治体から補助金を受け取れる点が大きなメリットです。建設費の補助となるだけでなく、環境に配慮した企業としてイメージアップにもつながります。


助成金取得の手順

助成金取得の手順は次のとおりです。

1. 各自治体の助成金について調べる
2. 助成金申請書を作成・提出
3. 助成審査会で審査
4. 結果の通知
5. 助成金申請支払い書の提出
6. 助成金支払い

助成金の有無は各自治体に問い合わせる必要があります。「駐車場緑化 補助金 地域名」で検索すると、各自治体のホームページがヒットするはずです。対象となる場所・面積・金額・申請方法などを確認しましょう。

注意点としては、緑化工事を実施する前に助成金の交付審査を受ける必要があること。着工後に申請しても受理されないケースがほとんどです。補助金や助成金の受け取りは、基本「後払い」であることも考慮しておきましょう。

また、年度単位で申請期間を区切っているケースも多く、申請時期が悪いと助成を受けられない場合があります。基本は先着順のため、申請期間内でも申請多数で受付終了となってしまうこともあるので注意しましょう。


駐車場建設に緑化対策は重要

駐車場の緑化対策は条例で定められている場合も多く、これから駐車場を建設する際は重要な検討事項です。環境に配慮した立体駐車場の導入を考えている方は、綿半ソリューションズ株式会社にご相談ください。

立体駐車場メーカーとして長年培ったノウハウを基に、柔軟な発想でお客様のニーズにあったご提案をいたします。自走式立体駐車場「stage W」は、環境に配慮した大容量駐車場としてご満足いただけるでしょう。


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