自走式立体駐車場とは?
種類・メリット・規制について

最終更新日 2023年02月11日

立体駐車場とは

自動車をとめる空間を、多様化または立体化した駐車場を立体駐車場といいます。
おそらく、自動車を運転する方なら一度は利用したことがある立体駐車場。
ショッピングモールや大型スーパーなどに導入されているものの多くは自走式立体駐車場です。
形状や階層は施設に適したものが採用されていますが、いずれにも共通して言えるのは「ランニングコストの良さ」です。また、利用者にとって複雑な機械操作や高度な運転技術を必要とせず、利用しやすいというメリットがあります。
今回は私たちにとって身近な存在である自走式立体駐車場について詳しくご紹介いたします。

立体駐車場の種類

自走式立体駐車場とは

立体駐車場は設計や仕組みによって「自走式駐車場」と「機械式立体駐車場」の2種類に分けられます。
ここでは、自走式駐車場と機械式駐車場の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

自走式立体駐車場とは

まず、自走式立体駐車場とはドライバーが自分で自らの車を運転して駐車するタイプの立体駐車場のことです。2階建て以上の階層で構成され、スロープを使って階を移動します。利便性が高いことから多方面で採用されています。

自走式立体駐車場のメリット

自走式立体駐車場の主なメリットは以下のとおりです。

  • 機械式立体駐車場に比べて自動車の出し入れが容易
  • 入出庫の操作による待ち時間が少ない
  • 直射日光や雨風から自動車を守ることができる(屋上部分除く)
  • 平面駐車場に比べて収容率に優れている
  • 災害時の避難場所として活用できる

自走式駐車場は上階の床が下階の屋根となる構造のため、雨や雪、日光の照り返しの強いときでも利用しやすいというメリットがあります。外壁について一定以上の開口率を取るよう法律で定められており、開放性が高く津波などの被害を受けにくいため、災害時の避難所として利用されることもあります。階層を増やすことで収容率を上げ、敷地を有効に活用することができます。

機械式立体駐車場とは

機械式立体駐車場とは

機械式立体駐車場とは、駐車装置に自動車を乗せて運搬、入出庫するタイプの立体駐車場です。機械式立体駐車場は大きく「タワー式」と「二段式・多階式」の2種類に分けられ、都市部を中心に、マンションやホテルの駐車場として採用されることが多いです。

機械式立体駐車場のメリット

機械式体駐車場の主なメリットは以下のとおりです。

  • 収納方式によっては収容台数が多くなる
  • 複雑な地形や敷地にフレキシブルに対応できる
  • 小規模敷地から対応ができる
  • 他の駐車車両を気にせず集中して駐車できる
  • セキュリティ性が高い

狭い土地を最大限活用できる点が機械式立体駐車場の最大のメリットと言えるでしょう。
機械式立体駐車場はセキュリティ性が高い反面、入庫・出庫に待ち時間が生じる、定期的なメンテナンスが必要という点がデメリットです。

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自走式立体駐車場に関する法や規制

自走式立体駐車場を建設する場合には、法律や規制を把握しておく必要があります。

自走式立体駐車場に関係する法律

自走式立体駐車場に係る基本の法律は駐車場法となります。
駐車場法は、都市における自動車の駐車用に設けられた施設(駐車場)の整備に関する必要事項を定め、道路交通の円滑化や利便性を図るとともに、都市機能の維持および増進を目的としています。

主な内容として、駐車場整備地区について(第3~4条)、駐車場整備地区の路上駐車場について(第5~9条)、駐車場整備地区の路外駐車場について(第10~19条)、駐車場の附置および管理条件(第20条)があり、駐車場施行令(第2条、第6条~15条)では、駐車用に供する部分が500㎡以上の施設についての構造および技術について定めています。

また、建築物の構造や設備については建築基準法や消防法となります。他にも道路法、都市計画法、都市公園法、自動車の保管場所の確保等に関する法律など、遵守(じゅんしゅ)すべき法律が複数あります。

用途地域における制限

建築物は建築基準法によって区域、地域ごとに用途や規模が制限されています。
区分された区域、地域を「用途地域」と言い、制限を設けることで住宅や工場が秩序良く構成されることを目的としています。
自走式立体駐車場の建設は用途地域ごとに制限が設けられています。

用途地域 独立自動車車庫 同一敷地内で建築物に付属する駐車場
第1種低層住居専用地域 建築不可 床面積の合計が600㎡以内または自動車の車庫部分を除いた建物の延べ面積以内かつ1階以下
第2種低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域 床面積300㎡以内かつ2階以下(都市計画されたものは面積制限の特例あり) 床面積の合計が3,000㎡以内または自動車の車庫部分を除いた建物の延面積以内かつ2階以下
第2種中高層住居専用地域
第1種住居専用地域 床面積300㎡以内かつ2階以下
(都市計画されたものは面積制限の特例あり)
床面積が自動車の車庫部分を除いた建物の延面積以内かつ2階以下
第2種住居専用地域
準住居地域 制限なし 制限なし
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域

出入口の規制

駐車場法施行令第7条では、駐車場の出入り口について設置場所や構造について規定しています。また、以下の部分には出入口を設けることができなくなっています。

  • 道路交通法第44条、各号の道路の部分
  • 交差点、横断歩道、踏切、自転車横断帯、軌道敷地内、坂の頂上付近、勾配の急な坂道またはトンネル
  • 交差点の側端、道路の曲がり角から5m以内
  • 安全地帯の左側、及び側端から前後10m以内
  • バス停、電車の停留所から10m以内
  • 踏切の前後の側端から10m以内
  • 公安委員会が指定した場所
  • 横断歩道の側端から5m以内
  • 幼稚園、小学校、特別支援学校、保育所、障害児施設、児童館、児童公園などの出入口から半径20m以内
  • 陸橋の下・橋・トンネル
  • 幅員が6m未満の道路
  • 縦断勾配が10%を越える道路

上記の他に各都道府県、市町村によって条例が定められている場合があるので、詳しくは対象地域の対応窓口にてご確認ください。

自走式立体駐車場の展望

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自走式立体駐車場の展望

今後、駐車場ビジネスをスタートさせる方や利用者にとってより良い駐車場を設立したい方は、付加価値のある自走式立体駐車場のポイントを押さえておきましょう。ここでは、以下の付加価値について詳しくまとめたので参考にしてみてください。

省電力化への取り組み

自走式立体駐車場は機械式立体駐車場に比べて省電力傾向が高めです。とはいえ、自走式立体駐車場の消費電力の約80%は照明器具が占めるため、蛍光灯から節電効果が高いと言われるLED照明に交換することで、さらなる省電力化が見込めます。その際、利用状況や時間帯に応じて照明の数や明るさを調整したり、壁や床の表面を明るい色に塗装して反射効率を高めるといった方法も検討してみましょう。他にも、太陽光や風力を利用した発電・蓄電システムを導入して消費電力を賄うといった方法もあります。

あらゆる省電力化への取り組みを実施することで、コストダウンと利便性を高めるといった双方の実現が期待できます。

振動や騒音への取り組み

自走式立体駐車場車は、毎日多くの自動車が頻繁に出入りするため、振動や騒音への十分な対策が必要です。
また自動車に付いているヘッドライトの光が、近隣への迷惑となる場合もあります。
早朝や深夜に利用する可能性を考え、駐車スペースやスロープの位置を配慮するといった工夫で皆が心地よく利用できる駐車場をつくりましょう。

緑化の推進

自走式立体駐車場は鉄骨などで造られているため、無機質で人工的な印象に映ります。そのイメージを払拭するのに有効なのが「立体駐車場の緑化」です。

自走式立体駐車場の緑化は、癒しのある都市景観を形成し、利用者や近隣住民の快適性を維持するとともに、アスファルトやコンクリートによる都市部のヒートアイランド現象を緩和、駐車中の車内の高温化の防止などが期待できます。他にも、歩行者が安全に移動するための快適な動線づくりなど、安全面にも配慮した取り組みも行えるようになります。
さらに、自治体によるみどりの街づくり条例など環境への前向きな取り組み姿勢が評価されることでしょう。
上記のようなメリットを得られることから、駐車場の緑化は注目を集めています。

電気自動車(EV)対応

地球温暖化が加速する現代において、今後は省エネルギー・省CO2に貢献する電気自動車(EV)が増加、選ばれる時代になってくると予想されています。そのため、立体駐車場は電気自動車に対応できるものであることが求められます。

自走式立体駐車場においては、電気自動車を駐車中に充電することができる充電器の設置が進んでいます。ただし急速充電器を複数設置するには高圧受電が必要となり設置の障害となっています。また電気自動車専用の駐車スペースに普通車が駐車してしまうといった事態を回避するための工夫も必要となってきます。

自動駐車(自動バレーパーキング)の導入

自動バレーパーキングとは、駐車場内で車両が自動走行し、空いている駐車スペースに自動駐車するシステムのことです。
もともとバレーパーキングとは係員がドライバーに代わって駐車をするサービスを言います。「バレー(Valet)」とは「従者」を意味し、ホテルでいうところの「ボーイに鍵を預けて自動車を駐車場に停めてもらうサービス」を指します。

自動バレーパーキング技術の開発は国内外で進められており、2018年には経済産業省と国土交通省主導のもと、自動バレーパーキングの実証実験が行われました。
自動バレーパーキングの実証実験は、車両と管制センター、駐車場インフラの3つが連動して自動車を駐車スペースに誘導するという内容でした。

利用者は、あらかじめ自動バレーパーキング対応の駐車場を予約して安全な場所で降車、自動駐車をリクエストすると、車両と管制センターが連絡を取り合って無人低速自動運転に切り替わり自動駐車を行います。
現状、サービスの利用において専用の機器を多数用いる必要がありますが、今後は駐車場内に設置されたパネルや自分のスマートフォンから自動駐車リクエストができるようにシステムの開発が進められています。

自動バレーパーキングは駐車効率を上げるためだけのシステムではありません。
駐車した場所での乗り降りや荷物を出し入れするためのスペースを確保する必要がないので、安全性に優れ、かつ狭い土地の有効活用ができるといったメリットもあります。また、空きスペースを探すために車を走行させる手間が省ける点も利用者にとって大きな魅力だといえるでしょう。

IoT技術の活用

loT技術とは、モノのインターネット化のことを指しており、この技術が今後の自走式立体駐車場にとって一役買うと予測されています。
例えば、loT技術を活かした監視誘導システムを導入することで、駐車スペースに設置しておいたセンサーが満空車判断をして、入場した車両にスムーズな案内をする等が挙げられます。駐車場内の混雑を防ぐことができる上に、利用者にとっても無駄な走行を避けられるので選ばれやすい駐車場となるでしょう。また、安全性の向上と管理人のコストを削減させることもできます。

自走式立体駐車場の種類

ここからは、自走式立体駐車場について詳しくご紹介いたします。

自走式立体駐車場のタイプ

自走式立体駐車場には、「フラットタイプ」「スキップタイプ」「連続傾床タイプ」の3種類あります。構造によって用途やメリットが異なり、それぞれに特徴や魅力があります。

フラットタイプ

フラットタイプは自走式立体駐車場の中で最も基本の形式です。
駐車スペースと専用のスロープが連結しており、場内の見通しが良く利用者にとって自分の自動車の位置が分かりやすいので利便性が高いのが特徴です。床はほぼ平坦なのでショッピングカートやベビーカー、車椅子が移動しやすく、大規模商業施設や病院の他、集合住宅などに採用されることが多いです。

特徴 ・フラットな駐車スペースと専用のスロープが連結している
用途 ・大規模駐車場
・特定の時間に入出庫が集中する病院、集合住宅、商業施設
メリット ・見通しがよく、駐車位置が分かりやすい
・柱やブレースが少なく、駐車しやすい
・床がフラットでショッピングカート、ベビーカー、車椅子でも移動しやすい

スキップタイプ

スキップタイプは、駐車階を半階ずつずらした立体駐車場です。
スロープを半階分だけ上げるので、スロープ自体を短くすることができ、敷地が狭くても対応できる形式となります。スロープが短いため初心者でも走行しやすいと言えます。一定方向に巡廻しながら駐車スペースを探すことができるため、空きスペースを見逃しにくいのも魅力です。
フラットタイプと同様に床がほぼ平坦なので、カートや車椅子でも利用しやすいメリットがあります。駐車効率に優れており、狭い土地や段差、傾斜が多い土地でも対応可能な点が大きな特徴だといえるでしょう。

特徴 ・段違いのフラットな駐車スペースと短いスロープが連結している
・大規模駐車場には不向き
用途 ・小~中規模駐車場
・特定時間に入出庫が集中する病院、集合住宅、商業施設、ホテル
メリット ・空きスペースを見つけやすい
・狭い敷地に対応できる

連続傾床タイプ

連続傾床タイプは床全体が緩やかな「らせん状」になっており、スロープに駐車スペースが面している立体駐車場です。一周することで1階層上がり、スムーズに駐車スペースを見つけることができます。独立したスロープが必要ないため、他の形式よりも収容できる車の台数が多いことが最大の魅力です。駐車効率が良くなるため、コストパフォーマンスが良いのは見逃せないポイントでもあります。また、動線がシンプルで急カーブがないため、利便性と安全性に優れています。

特徴 ・床全体がらせん状になっておりスロープに駐車スペースが面している
用途 ・小~中規模駐車場
・特定時間に入出庫が集中する病院、集合住宅、商業施設、ホテル、有料駐車場
メリット ・駐車効率が高くコストパフォーマンスが良い

自走式立体駐車場の階層の種類

認定の自走式立体駐車場の階層には主に、1層2段型~6層7段型まで計6種類のパターンがあります。
建ぺい率の関係で敷地内に十分な駐車スペースを確保するのが難しい場合でも、階層を増やすことで大容量の収容が可能になります。
それぞれの階層パターンの特徴についてみてみましょう。

1層2段型

1層2段型は、自走式立体駐車場の原点ともいえる形態で、1階と屋上部分が駐車スペースになっています。
以前は1層2段型の簡便な駐車場が主流でしたが、現在では法律も整備されて安全基準が格段に向上しています。
1層2段型は、社員用や集合住宅などに採用されています。

2層3段型

2層3段型は、1・2階と屋上部分が駐車スペースになった2階建て立体駐車場で、1層2段型の次に開発されました。床形式はスキップタイプ、フラットタイプ、連続傾床タイプのいずれも採用することができます。
集合住宅の他、病院、公共施設などで利用した経験があるという方も多いのではないでしょうか。

3層4段型

3層4段型は、1~3階と屋上部分が駐車スペースになった3階建て立体駐車場です。
3層4段型の立体駐車場が開発されて以降、自走式駐車場は高層化へと発展しました。
3層4段型は、病院、公共施設、集合住宅などで多く採用されています。

4層5段型

4層5段型とは、1~4階と屋上部分が駐車スペースになった4階建て立体駐車場です。
4層5段型は、アミューズメント施設、時間貸・月極駐車場など幅広いシーンで採用されています。

5層6段型

5層6段型とは、1~5階と屋上部分が駐車スペースになった5階建て立体駐車場です。
低層の立体駐車場を2棟建てるよりも高層の立体駐車場を1棟建てる方が効率が良いという場合もあり、5層6段型は、主に商業施設などの大規模駐車場で多く採用されています。

6層7段型

6層7段型は、1~6階と屋上部分が駐車スペースになった6階建て立体駐車場です。
6層7段型は、大規模商業施設で主によく採用されます。

7層8段以上も個別に対応可能です。

なお、綿半ソリューションズ(株)の自走式立体駐車場『StageW』では各階層の商品ラインナップがございます。お客様のご要望に合わせて提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

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自走式立体駐車場の認定

自走式立体駐車場の認定

厳しい基準をクリアし、国土交通大臣と大臣が指定する機関に認められた立体駐車場は「認定駐車場」と呼ばれます。
国土交通大臣認定工法とは、建築基準法第68条の規定に基づき、同法施行例第129条の規定に適合すると認められた工法です。
認定は大きく「一般認定」と「個別認定」の2種類に分類されます。

一般認定

一般認定とは、国土交通大臣によって定められたルールに基づき、システム的に建設された場合の認定で、1~6階建てまでの自走式立体駐車場に適用されます。
構造や仕組み、使用する部材の種類や配置等がルールによって定められているため、建築工程がシンプルかつ完成までの時間を短縮させることができます。大きなメリットとしては、高品質とコストダウンの両立が挙げられます。

【型式適合認定】
型式適合認定では、建築基準法に基づいて建築物を建設する際、構造や技術が一定の基準をクリアしているかどうかを審査、認定します。技術的基準に適合した設置条件を設けているので、「構造計算適合判定」の審査が免除されます。そのため、建築確認同意されるまでの審査期間が短縮できることが最大のメリットです。

【防耐火認定】
防耐火認定では、建築基準法における防火・耐火性の高い材料を使用しているか、また構造上においての防耐火性を審査、認定します。防火・耐火性の高い材料が使用されていることにより、耐火被覆、防火シャッター、固定式消火設備の設置が不要、延焼ラインが緩和される等、大幅なコストダウンにつながるといったメリットがあります。防耐火認定は、3階建て以上の駐車場が対象となります。

個別認定

個別認定とは、立体駐車場の建設を行うごとに大臣認定を個別に取得する認定を言います。
例えば、一般認定では対応できないような自由度の高い形状や設計、7層8段以上の高層階、店舗付駐車場といった場合に個別認定を取得します。
個別認定の取得費用は規模や内容によって左右されないため、その点では大きい駐車場ほどコストダウンにつながるでしょう。ただし、個別認定は一般認定に比べて取得までに6ヶ月程度時間を要するため、計画的な行動が求められます。

2018年1月より、大臣の認定を受けた立体駐車場には認定品表示板を分かりやすい箇所に表示する制度「認定品表示板制度」が開始されました。これにより「構造の耐力」「防災時の避難」「維持管理」など高い安全性が証明されることとなります。

在来工法駐車場

在来工法駐車場とは、認定品駐車場には該当しない一般の建築物と同じ扱いの駐車場のことを指します。そもそも在来工法というのは、駐車場に限らず一般的な建築物を建てる工法のことです。
駐車場の規模や用途、外装など自由に設計できる点が最大のメリットといえるでしょう。大臣認定品と異なり、防火設備の緩和がないので、コストがアップするというデメリットがあります。

立体駐車場の比較

ここからは、自走立体駐車場と機械式立体駐車場の違いを5つの項目に分けてご紹介します。

立体駐車場の比較

自走式立体駐車場と機械式立体駐車場の比較

収容台数

自走式立体駐車場の運営には、ある程度広い敷地が必要となります。そのため、施設の上階を利用して大規模駐車場を運営する場合には適しています。
一方、機械式立体駐車場は敷地面積に対して駐車できる台数が多く、狭い土地でも有効活用できます。そのため、広い土地は用意できないけれど、収容台数の多い駐車場を持ちたいという方には機械式立体駐車場がおすすめと言えるかもしれません。

利便性

自走式立体駐車場は自動車を自分で走行させて駐車するので、一般道路や普段の駐車と同じ様に利用することができます。特別な運転技術が要らないので誰でも気軽に駐車することができます。十分な駐車スペースが1台ずつ確保されているので、乗り降りや荷物の出し入れがしやすく、屋上以外は屋根付きなので利便性が高い駐車場と言えるでしょう。
一方、機械式立体駐車場は、収納方式によって自動車をバックで入庫する必要があるため、運転が苦手な方や初心者にとっては負担を感じる可能性があります。また、車内に忘れ物をした際に再度出庫動作をしなければならないので、不便だと感じてしまうかもしれません。

セキュリティ

自走式立体駐車場は、イタズラや車上荒らしなどに遭う可能性がゼロではありません。しかし、定期的に見回りをする管理人を雇ったり、防犯カメラを設置したりといった工夫をすると防犯性が高くなります。
一方、機械式立体駐車場は自動車が専用の装置に収容されるため、防犯性に優れていると言えるでしょう。

ランニングコスト

自走式立体駐車場も設備のメンテナンスは必要ですが、機械式ほど頻繁に行わなくても良いので、ランニングコストは照明等の電気代ぐらいです。
一方、機械式立体駐車場は、定期的なメンテナンスも必要になるためランニングコストがかかります。ですが、駐車効率が良いので土地代に対する投資効率は高めだと言えるでしょう。

用途

自走式立体駐車場は1台ごとに広い駐車スペースを確保することができるため、年齢に関わらず多くの方が出入りする商業施設、空港、病院、アミューズメント施設、マンションなど様々な場所に広く採用されています。
一方、機械式立体駐車場は狭い土地に多くの自動車を収容する必要がある駅前や都市部のホテル、商業ビル、時間貸駐車場といった場所に多く見られます。

まとめ

今回は自走式立体駐車場の基礎知識や種類、今後の展望などについてご紹介いたしました。
これからの立体駐車場は「自動車を停める」というだけでなく、安全性の高さ、利便性、環境への配慮、経済面といった付加価値が求められます。

自走式立体駐車場は、利用者にとって複雑な機械操作や高度な運転技術が不要といったメリットがあります。乗り降りや荷物の出し入れがしやすいので、小さなお子様や高齢者をはじめ、万人にとってやさしい駐車場と言えるでしょう。また、災害時の避難先として活用できるのも大きな信頼と安心を寄せることができる点です。

駐車場ビジネスを始める方や運営する方にとっては、収容台数の多さや敷地面積の有効活用、ランニングコストの低さが魅力的です。自走式立体駐車場を設計の検討する際は、敷地の状態や利用者のニーズに合わせた種類を選ぶようにしましょう。

自走式立体駐車場を建設検討している方は、綿半ソリューションズ株式会社にご相談ください。立体駐車場メーカーとして長年培ったノウハウを基に、柔軟な発想でお客様のニーズにあったご提案をいたします。自走式立体駐車場は大容量立体駐車場の「stage W」をご検討ください。

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