自走式立体駐車場はメンテナンスフリー?必要な保全・補修について解説

立体駐車場には、大きく分けて自走式駐車場と機械式駐車場があります。限られた敷地面積で効率よく駐車できるため、都市部で効率よく運用できるのがメリットです。
その反面、点検や部品交換の手間がかかり維持コストが高いと言われています。
一方、自走式立体駐車場は「メンテナンスフリー」ともいわれています。この記事では、その理由を解説するとともに、自走式駐車場に必要な保全や補修について解説します。
自走式立体駐車場に必要なメンテナンスについてわかるので、自走式立体駐車場の建設を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

自走式立体駐車場がメンテナンスフリーといわれる理由

自走式立体駐車場がメンテナンスフリーといわれる理由

自走式立体駐車場がメンテナンスフリーといわれる理由はおもに2つあります。

  • 耐用年数
  • 機械式との比較
詳しく解説しましょう。

耐用年数が長い

一般的に機械式駐車場に比べて、自走式立体駐車場は耐用年数が長いのが特長です。ここでは、法定耐用年数で比較しましょう。 法定耐用年数とは、固定資産に対して法律で定められた使用期間を指します。 定期的な補修により問題なく使用できる年数を一律で定めており、減価償却のために必要です。

構造特徴耐用年数
機械式立体駐車場露店式・タワーパーキング15年
自走式立体駐車場
プレハブ(金属造)
壁に覆われていない
露店式(構築物)
15年
自走式立体駐車場
鉄骨造
壁で囲まれている
建物
31年
自走式立体駐車場
鉄筋コンクリート造
壁で囲まれている
建物
38年
機械式立体駐車場は、部品や機械の寿命が数年程度で短いため、メンテナンスが定期的に必要です。 部品それぞれの耐用年数はさらに短く、3~5年となっています。
一方、金属製の露店式駐車場の耐久年数は、機械式立体駐車場と同じ15年ですが、 鉄骨造や鉄筋コンクリート造の自走式立体駐車場であれば、躯体自体の耐用年数は30年以上と長めです。 立体駐車場の耐用年数については、こちらの記事で詳しく解説しています。
立体駐車場の建設・工事を検討する際のポイント6つ|自走式立体駐車場のメリットから契約の流れ

自走式立体駐車場のメンテナンス

機械式立体駐車場で注意すべき点

機械式立体駐車場に比べて、自走式立体駐車場はメンテナンスの負担が軽いといわれていますが、実際にはどのようなメンテナンスが必要でしょうか。 以下におもなポイントをまとめました。

  • 定期点検
  • 補修
  • リフォーム
それぞれのポイントを見ていきましょう。

点検と実施時期

自走式立体駐車場は、義務とされるメンテナンスは、ほとんどありません。 法的に点検が義務化されたものは、消防用設備とエレベーターです。その頻度は下記のとおりです。

消防用設備(定期点検)6カ月に1回(義務)
消防用設備(総合点検)1年に1回(義務)
エレベーター(定期点検)1年に1回(義務)
エレベーター(維持保全点検)3カ月に1回(推奨)
ほかには、照明器具やライン・アスファルト舗装の破損・不具合がないかを目視で点検します。 これは義務ではありませんが、早めに問題点を見つける効果があります。 使用できなくなる前にこまめに点検・補修していくことで、資産価値を保ち、耐久年数を伸ばすことができるでしょう。

補修

点検で補修すべき部分が見つかれば、早めの対応が必要です。以下の項目は定期的に確認しておきましょう。

  • 消火器の交換
  • 照明交換
  • ライン・車止め・床板の補修
  • 錆び
  • 防水
特に錆びや防水に関わる管理は、建物の耐久年数にも直結します。不具合が出た場合は、早急に対応することが重要でしょう。

リフォーム

自走式立体駐車場におけるリフォームには、次のような事項があります。

  • 外壁の交換
  • エレベーターの更新
  • 防水工事のやり替え
  • 塗装
  • 床板修繕
ほかにも耐火被覆の経年劣化によるメンテナンスも必要となります。 ただし国土交通大臣認定の自走式立体駐車場であれば、耐火被覆は必要ありません。 認定駐車場は防火設備の免除も認められているため、リフォームやメンテナンスへの負担が少なくすむでしょう。

サ機械式立体駐車場(露店式)のメンテナンス

ゲート式以外の精算方式

露天式の機械式立体駐車場は、雨風にさらされるため錆びや腐食などに注意が必要です。 自走式立体駐車場に比べると、メンテナンスの手間が増えるケースが多いでしょう。

パレット塗替え・交換

パレットとは、車両を駐車するスペースで金属のパネルを指します。 車両重量による負荷や経年金属疲労により、傷みやすい部分でもあります。 5年周期で塗装修繕を行う場合が多いですが、劣化が進み、ひび割れや陥没がある場合は交換を検討しましょう。

ボルトチェック

車両の振動により、構造ボルトにはゆるみが発生します。 メンテナンスでは、ゆるみがないかを定期的にチェックしましょう。 経年劣化による欠損や破損は避けられないため、定期点検で安全性をチェックし、 劣化や破損が起こる前に交換しましょう。

防錆処置

機械式立体駐車場の防錆処置としては「溶融亜鉛メッキ」を使用しているケースが多くあります。 ですが、雨や乾湿の繰り返し、車両走行による摩耗などによりメッキは徐々に剥がれていきます。 そのため定期的にチェックをし、メッキ層が取れる前に防錆処理を施す必要があるでしょう。

チェーン類

チェーンに錆びが発生したり、ゆるみが生じたりする場合があります。 管理方法で使用期間に差が出やすい部品のため、定期的な点検を行う必要があります。 劣化が進んだ場合は交換が必要となるでしょう。

センサーなど

センサーが正しく動くか、電池切れや故障などがないかの点検は重要です。 動作に不安がある場合は交換が必要となります。 利用者が使っている最中にセンサーが動かず思わぬ事故につながる、 ということが起きないよう、定期点検のチェック事項に加えておきましょう。

「機械式立体駐車場のメンテナンス」との違い

「機械式立体駐車場のメンテナンス」との違い

機械式立体駐車場を自走式立体駐車場のメンテナンスと比べた際に、どのような違いがあるかについて解説します。 おもに点検頻度と部品のふたつのポイントから解説します。

点検頻度

機械式立体駐車場の場合は、国土交通省が「機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針」において保守点検個所や 頻度について細かく定義しています。点検項目ごとに1年に1回・2回・4回などリスト化されており、 手間と負担は自走式立体駐車場に比べて機械式立体駐車場のほうが大きいといえます。

部品の多さと保全周期

機械式立体駐車場で使用している部品は、かなりの数にのぼります。また耐用年数は15年ですが、 部品の保全周期は15年よりも短いものが多く、定期的に交換が必要です。保全周期の目安と対象となる部分については下記のとおりです。
丁寧に補修・保全を行うことで使用できる期間を伸ばすことができますが、 交換する際に部品が廃盤となり入手困難になるケースもあるため、注意が必要です。

保全周期の目安対象となる部分対象となる部分
5-6年落下防止装置、光電センサー
8年操作盤および制御盤内機器、チェーン類
10年モーター関係

自走式立体駐車場はメンテナンスの負荷が軽い!
国土交通大臣認定のstageWをご検討ください

自走式立体駐車場はメンテナンスの負荷が軽い!国土交通大臣認定のstageWをご検討ください

この記事では、立体駐車場のメンテナンスについて詳しく解説しました。メンテナンスの面で考えると、機械式立体駐車場に比べ、 自走式立体駐車場のほうが、対象となる部品・箇所・頻度など、すべてにおいて負担が軽いといえます。 近年では、耐用年数を迎えた機械式立体駐車場から自走式立体駐車場へ建て替えを検討するケースも増えているようです。

stageWは、国土交通大臣認定の自走式立体駐車場メーカーとして、長年の実績と信頼を誇ります。これまでの豊富な事例により、 お客様のニーズにあわせた提案も可能です。自走式立体駐車場の建設を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

資料請求・お問い合わせはこちら >