近年では環境問題への配慮の一環として、立体駐車場を緑化したり、太陽光パネルを設置したりする取り組みが行われています。今回は環境配慮型の立体駐車場のメリットについて解説します。
環境配慮型の立体駐車場とは
近年の立体駐車場は、ただ車を停めるためだけのものではなく、環境に配慮した形に変わりつつあります。「2050年までにカーボンニュートラルを目指す」という目標が2020年に掲げられ各企業が対応を急ぐ中で、駐車場の上部スペースの有効活用が注目を浴びています。カーボンニュートラルとは、排出される温室効果ガスを排出削減・吸収し「プラスマイナスゼロ」に目指す取り組みのことです。
環境のために立体駐車場ができることは2つあります。1つは、太陽光発電の導入でCO2の排出量を減らし、カーボンニュートラルを推し進めることです。もう1つは立体駐車場を緑化することで温暖化対策や都市景観向上による環境意識の醸成を進めることです。
環境配慮型の立体駐車場にすることで、人々が過ごしやすいまちづくりや人が集まる空間づくりに貢献できます。
立体駐車場に太陽光発電を導入するメリット
太陽光発電とは
太陽光エネルギーで発電するのが太陽光発電です。太陽電池で光エネルギーを電力に変換して使用します。発電時にCO2を始めとする有害物質が排出されないクリーンエネルギーとして、世界中で注目されている発電システムです。
立体駐車場に太陽光パネルを設置することで、屋上や壁面などのスペースを有効活用できます。
CO2排出量が少ない
太陽光発電を始めとするクリーンエネルギーは、発電時におけるCO2排出量の少なさが特徴です。太陽光パネルの製造や輸送過程を除けば、CO2が排出されないため、カーボンニュートラル実現には必要不可欠とされています。
また、太陽光発電が普及すれば燃料を必要とする火力発電の負担を減らすことができ、さらに立体駐車場へ設置することで、新たに土地開発の必要がなく、周辺環境への配慮も同時に行えます。
光熱費を削減
太陽光発電により生み出された電力は、そのまま使用することができます。立体駐車場なら店舗や工場などに近接して設置できるので、送電コストや損失も抑えられます。
また、余剰売電により余った電力を売ることも可能です。光熱費を抑えるだけでなく、収入としてプラスにすることもできます。
非常用電源にも
太陽光発電と併せて蓄電システムを導入することで、日常的な使用のほか、災害時などの非常用電源として活用できます。台風や豪雨、地震などの災害が多い日本では、停電により生活や仕事に影響がでる可能性もあるでしょう。特に、医療施設や生産ラインを急に止められない工場、多くの方が利用する店舗などで停電してしまうと大きな問題に発展します。
そのような場合も、隣接する立体駐車場に太陽光発電と蓄電システムを導入しておけば、電源の確保ができます。地域の避難所として利用することもできるでしょう。
駐車場の屋上や壁面を緑化するメリット
ヒートアイランド現象の緩和
駐車場などの表面に使用されているアスファルトは、地表温度が上がりやすいのが特徴です。夏の暑い日には舗装面の温度が60度以上になることもあり、都市部のヒートアイランド現象の一因ともいわれています。
この現象を緩和してくれるのが、立体駐車場の緑化です。日照量の多い真夏日でも屋上や壁面を植物で覆ってアスファルト面を減らすことで、駐車場下部の温度を下げる効果が期待できます。
景観の保護
コンクリートや鉄骨で構成されている立体駐車場は無機質なイメージが強く、景観に馴染まず浮いたような印象を与えてしまう場合があります。しかし緑化をすることで、周辺環境に調和する魅力ある外観デザインが実現できます。都市部にありながら、緑豊かな美しい空間を作り出すことも可能です。
緑は居心地のよさや癒やしなど、人の心によい影響を与えてくれます。駐車場としての機能だけでなく、周辺住民の憩いの場としての価値もプラスできるのです。
大気の浄化
植物の中には、大気中の汚染物質を吸収し、浄化してくれるものもあります。緑化は、カーボンニュートラルを目指す意味でも効果的な方法です。
新たに緑地化する場所を探すのは大変ですが、すでにある駐車場の屋上や壁面を有効活用すれば難しくありません。
工場立地法
工場立地法とは、周辺地域の環境と調和を図りつつ、適正に行われるようにするために制定されたものです。立体駐車場の緑地はその中の「重複緑地」に該当し、緑地として一部算入が認められる場合があります。
企業や店舗のイメージアップや従業員のストレス軽減といった効果もあり、環境配慮の他にもメリットがあります。
その他、駐車場を緑化するメリットや事例などについては合わせて下記記事をご確認ください。
駐車場緑化のメリットを紹介!効果・導入事例・助成金も詳しく解説
まとめ
立体駐車場の緑化や太陽光パネルの設置には、使用者や周辺住民、管理者だけでなく地球環境にも大きなメリットがあります。身近なところから、カーボンニュートラルを目指すことも可能です。立体駐車場を導入する際は、環境に配慮したデザインも検討してみてください。
自走式立体駐車場を建設検討している方は、綿半ソリューションズ株式会社にご相談ください。立体駐車場メーカーとして長年培ったノウハウを基に、柔軟な発想でお客様のニーズにあったご提案をいたします。自走式立体駐車場は大容量立体駐車場の「stage W」をご検討ください。