平置き駐車場は、スーパーに付属している平面駐車場やコインパーキングなど、屋根のない青空駐車場を指します。
駐車場の建設を検討する際、イニシアルコストが低いため参入しやすいのが特長です。しかしデメリットも気になりますよね。
そこで本記事では、駐車場建設を検討しているオーナーに向けて、平置き駐車場のメリット・デメリットを解説します。
平置き駐車場を建設するのが適切かを判断するのに参考にしてみてください。
平置き駐車場の特長

最初に平置き駐車場の定義について解説します。平置き駐車場の特長は次のとおりです。
・道から自分で走行して駐車する
・青空タイプが基本
・月極やコインパーキングが多い
順に見ていきましょう。
車道から自分で走行して駐車する
リフトなどで駐車スペースに収める機械式立体駐車場とは違い、平置き駐車場は最後まで自分で車を走行させて駐車します。 空きスペースを自分で見つける必要があり、混雑時はスムーズに駐車できないこともあります。一方、立体駐車場と比べると入出庫の手間がかからず、所要時間も少なめです。
青空タイプが基本
基本は屋根がなく、青空駐車場がほとんどです。郊外の大規模商業施設やスーパー、病院やマンションに併設されることが多いのも特長です。ほかに建物の1階部分や屋根付き、地下に作られるものもあります。
月極やコインパーキングも多い
平置き駐車場で多いのが月極駐車場やコインパーキングです。初期費用が少なく済み、土地さえあれば始められるため参入障壁が低いといえます。 狭小地で2台程度から経営しているコインパーキングも少なくありません。
平置き駐車場のメリット

平置き駐車場のメリットを次の4つにまとめました。
- メリット1.入出庫に手間がかからない
- メリット2.維持メンテナンス費用が安い
- メリット3.車の幅や高さなどの制限が緩やか
- メリット4.別の用途に活用しやすい
順に見ていきましょう。
メリット1.入出庫に手間がかからない
入出庫に手間がかからず、待ち時間が少ないのが平置き駐車場の大きなメリットです。ほかの立体駐車場の場合、待ち時間は次のとおりです。
- 機械式:30秒~3分弱
- 自走式:数分
自走式立体駐車場の場合は、入出庫の手間はそれほどかからず混雑のストレスは少ないといえます。 しかし移動距離が長いため、出庫まで数分程度かかります。その点、平置き駐車場は待ち時間が少なく済み、出入り口までの距離も自走式駐車場と比べて短いため入出庫がスムーズです。
メリット2.維持メンテナンス費用が安い
平置き駐車場に必要なおもな設備は、アスファルトやコンクリート舗装です。他には照明や入出庫ゲートもしくは駐車場ロック装置(フラップ版)の設置で十分です。設置費用や維持メンテナンス費用はそれほどかかりません。
機械式立体駐車場の場合、月1回の定期点検、故障した部品の取り換えなどメンテナンス費用が高額といわれています。
また自走式立体駐車場の場合、メンテナンスフリーとも言われていますが、エレベーターや照明、消防設備の点検などのメンテナンスは必要です。
メリット3.車の幅や高さなどの制限が緩やか
立体駐車場は、高さ制限や車幅制限があります。とくに機械式立体駐車場の場合、最近人気のハイルーフ系の車が駐車できないケースも少なくありません。 一方、平置き駐車場であれば、高さや幅の制限はほぼないといえます。駐車する車種を選ばないため、どのような車種の方にでも利用しやすいのがメリットです。
メリット4.別の用途に活用しやすい
建物がないため、ほかの用途に変更しようと思ったときに解体の負担が少ないのも特長です。駐車場経営以外のものに利用したい、転売したい、このような場合に対応しやすいのも大きなメリットといえます。
平置き駐車場のデメリット

次に平置き駐車場のデメリットを2つにまとめました。
- デメリット1.雨風にさらされる
- デメリット2.広い敷地面積を必要とする
順に見ていきましょう。
デメリット1.雨風にさらされる
遮る屋根や壁がないため、雨風だけでなく紫外線にもさらされます。車へのダメージが大きく、ほこりや鳥の糞などで汚れやすいのもデメリットといえます。 天候の悪いときであれば、荷物を出し入れする負担が大きくなります。
デメリット2.広い敷地面積を必要とする
必要な駐車台数を確保するためには、その分広い面積が必要です。施設に併設する駐車場を設置する際には、必要な駐車場台数の目安が法令などで定められています。 都心など広い敷地の確保が難しい場所では、平置き駐車場だと必要な駐車場台数が確保できないケースもあるでしょう。
平置き駐車場と立体駐車場の比較

立体駐車場と比較して、平置き駐車場の良い点と悪い点をまとめました。
〇:駐車できる車種に制限がない
〇:建設コスト・維持コストが安い
×:同じ面積で確保できる駐車台数が少ない
順に見ていきましょう。
〇:駐車できる車種に制限がない
最近はワゴンタイプやハイルーフタイプの車種が人気です。とくに機械式立体駐車場の場合は、高さ制限や車幅制限があるため駐車できない車種が少なくありません。 高さ1550mm制限の立体駐車場の場合、軽自動車であっても駐車できる車種は限られます。 例えばホンダのN-BOXの場合は車高が約1800mm、ダイハツのウェイクであれば1835mmと高めです。その点、平置き駐車場は、車のサイズや重量に制限がほぼないので気兼ねなく利用できます。
〇:建設コスト・維持コストが安い
一般的に建設コストや維持コストは、平置き駐車場<自走式駐車場<機械式駐車場の順で高いといわれています。 とくに機械式駐車場は、定期点検・部品交換・故障修繕・塗装などメンテナンス費用が掛かります。一方、平置き駐車場にかかるコストはアスファルトの修繕や照明のメンテナンスなどで済むでしょう。
×:同じ面積で確保できる駐車台数が少ない
車1台のスペースは、敷地面積で12.5㎡程度必要です。一方で、自走式立体駐車場であれば、6層7段1,000台まで駐車台数を確保できます。
(延床面積24,000㎡)平面であれば230台くらいしか駐車できないスペースでも、自走式なら1,000台駐車できるため駐車効率が悪いといえます。
自走式立体駐車場については合わせて以下の記事をご確認ください。
⇒自走式立体駐車場とは?種類・メリット・規制について
平置き駐車場を建設するのに適したケース

平置き駐車場を建設する場合に必要な条件などについて、以下の2つにまとめました。
- ・十分な土地が確保できる
- ・都心の狭小地ならコインパーキングもあり
順に見ていきましょう。
十分な土地が確保できる
広い土地を所有し、必要な駐車台数を確保できるなら、平置き駐車場がおすすめです。コスト面で優れており、メンテナンスの負担も少なく済みます。
しかし、必要な駐車台数を確保するだけの土地を用意できないのであれば、立体駐車場を検討しましょう。機械式駐車場は、都心など少ない土地しかない場合でも一定の駐車台数を確保できます。
その代わりメンテナンス費用が高いため、コスト計算をしっかりしてから導入する必要があるでしょう。
自走式立体駐車場は、メンテナンスやコスト面で機械式立体駐車場よりも優れているといえます。その代わり、機械式立体駐車場よりも広い敷地が必要なため、建設可能か調査する必要があります。
機械式駐車場については合わせて以下の記事をご確認ください。
⇒機械式駐車場とは?メリット・デメリット|設置の基本と注意点を解説!
都心の狭小地ならコインパーキングもあり
都心であれば、狭小地をコインパーキングとして運営するのもおすすめです。中心街であれば駐車場のニーズは高く、短期間で収益化も可能です。 遊休地として放置しておくくらいなら、検討してもいいかもしれません。他の用途に転用もしやすいので、期間限定で運営するといった選択もあります。
平置き駐車場建設には広い土地が必要!
台数確保には立体駐車場を検討しましょう

平置き駐車場はコスト面で優れていますが、多くの駐車台数を確保できない場合には適さないケースもあります。
もし、必要駐車台数を確保できないのであれば、自走式立体駐車場を検討してみましょう。自走式立体駐車場であれば、当社のstageWがおすすめです。
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