立体駐車場のパレットとは、機械式立体駐車場における車両を載せる台のことです。機械式立体駐車場の部品では、一番大きい面積で重要な部分です。
「パレットのメンテナンスをしなかったらどうなるの?」
「パレットの耐用年数ってどれくらい?」
このような疑問を抱かれる方もいらっしゃるはずです。そこで、この記事ではトラブル例を紹介しつつ、パレットの耐用年数やメンテナンスについて解説します。
立体駐車場のパレットとは
機械式立体駐車場のパレットの概要についてまとめました。
・機械式立体駐車場で車両を載せる台
・錆びや腐食に注意
・3~5年ごとにメンテナンスが必要
順に見ていきましょう。
機械式立体駐車場で車両を載せる台
機械式立体駐車場におけるパレットとは、車両を載せる台をさします。パレットを動かすことで車両を効率よく収容できます。 機械式立体駐車場の仕様は、二段式・多段式、昇降循環式、タワー式などがあります。
錆びや腐食に注意
パレットが雨風にさらされることが多いのは、マンションに設置されている二段式や多段式です。
金属部品が多いため、塗装仕上げまたは亜鉛メッキ仕上げにより錆を防ぎます。しかし、年月とともに塗装やメッキがはがれていくため、こまめに確認が必要です。
腐食とは、最初は単なる表面の酸化だったものが徐々に深くなり、金属の表面に穴が開く現象です。錆びは表面だけの問題ではなく、金属の内部にまで進行していくので油断は禁物です。
初期段階なら取り除ける錆びも、茶色から黒い錆びに進行すると取り除くのが困難です。こまめに錆びを落としたり再塗装したりなど、定期的なメンテナンスを行いましょう。
3~5年ごとにメンテナンスが必要
立体駐車場の法定耐久年数は15年ですが、パレット自体は3~5年で錆びてきます。柱や梁も金属のため、パレットと同様に3~5年ごとに対応していく必要があるでしょう。
腐食によって部品が欠損するなど大事故を避けるためには、定期的なメンテナンスと、壊れる前に部品交換するといった予防や保全が基本です。
国土交通省のガイドラインにて、点検の目安を設定しているので参考にしましょう。
立体駐車場のパレットのメンテナンス内容
機械式立体駐車場のパレットをメンテナンスする場合の注意点は以下のとおりです。
・錆び落とし
・再塗装
・部品や装置の確認
順に見ていきましょう。
錆び落とし
パレットの汚れを落とし、大きな錆びを除去します。錆びで軽微な穴が開いている部分にはグラスファイバーとミラクルプライマーを混ぜたもので一時的な対処は可能です。 しかし、繰り返し穴が開く、徐々に穴が大きくなるなどの場合は修理・交換を検討しましょう。
再塗装
再塗装の場合は、ケレン作業といった下地処理が必要です。まずは、錆びもしくは古い塗装を電動工具やハンマーなどで削ぎ落とします。 きれいに錆びを処理したうえで、再塗装していきます。あまりにも腐食が激しい場合は、新しいパレットに交換することも考えなくてはいけません。
部品や装置の確認
パレットを再塗装する際に、装置を分解して塗装することもあります。その場合は、組み立てたのち、問題なく装置が動くかなど安全面での点検・確認が必須です。 場合によっては、大がかりなメンテナンスとなるでしょう。
メンテナンスしないと起こるトラブル例
もしメンテナンスを怠ると、次のようなトラブルが起こる可能性があります。
・錆びで靴や車が汚れる
・パレットに穴が開く
・パレットが落下する
順に見ていきましょう。
錆びで靴や車が汚れる
パレットの表面に錆が多く出てくると、靴の裏に付着し、車内が汚れるケースも少なくありません。 また、上側のパレットから、錆びを含んだ雨水や液体が垂れてきて車に付着し、錆で汚れる場合も起こり得ます。特に機械操作中に、きしみ音がある場合は要注意です。
パレットに穴が開く
腐食が進行すると、錆び部分に穴が開いてくることがあります。穴が拡大すると、パレットの強度が落ちてきて、破損の危険性が増すでしょう。 また、穴が開いてしまうと、パレットごとの交換となる可能性が高く、費用も多くかかってしまいます。
パレットが落下する
腐食がひどい場合は、パレットごと落下するような事故も発生します。 そうなると、人命に関わる大事故になる可能性も起こり得ます。加えて修繕費用が大きくなってしまうため、定期的な部品交換やメンテナンスが重要です。
パレットの老朽化問題に直面した際の対応例
パレットの老朽化問題に、すでに直面しているのであれば、次のような対応が必要です。
・新しい機械に更新する
・自走式立体駐車場に建て替える
順に見ていきましょう。
新しいパレットや装置に更新する
故障してから修理するのでは、パレットの落下といった大きな事故につながりかねません。定期的な点検とメンテナンスを欠かさず、故障する前に新しい部品に交換するといった対応を普段から心がけましょう。
もし腐食がかなり進んでいるのであれば、新しいパレットや装置に更新する必要があります。
法定耐用年数は15年となっていますが、メンテナンスしても最大20年が目安です。リニューアルのための費用を最初から想定しておくようにしましょう。
自走式立体駐車場に建て替える
機械式立体駐車場は、年数が経過するごとにメンテナンス費用が膨らむ可能性が高くなります。また、新しいパレットや装置にリニューアルする際にも大きな費用が必要です。
その点、自走式立体駐車場は、機械式立体駐車場に比べて定期検査やメンテナンスの負担が少ないという特徴があります。
以下は、国土交通省が示した「機械式立体駐車場の1台あたり月額の修繕工事費」です。パレット1台あたり月額5,000~7,000円の修繕工事費がかかる計算です。
国土交通省|マンションの修繕積立金に関するガイドライン
機械式立体駐車場は維持費が高いという理由から、リニューアル時期を機に自走式立体駐車場に建て替えるケースも増えているようです。
ただし、自走式立体駐車は設置に一定の広さ以上の敷地面積が必要なため、十分なスペースが確保できることが前提条件となるでしょう。
自走式立体駐車場へ建て替えるメリット
機械式立体駐車場から自走式立体駐車場に建て替える場合のメリットは、以下のとおりです。
・維持コストが安い
・耐用年数が長い
・安全面の心配が少ない
順に見ていきましょう。
維持コストが安い
自立式立体駐車場は、使用している機器が少ないため、点検個所や頻度が少なく済みます。唯一、月ごとの点検が必要なのはエレベーターです。 消火設備については、消防法により半年に1回もしくは1年に1回とされています。 点検やメンテナンスの頻度だけでなく、自走式立体駐車場自体には部品の交換がほとんど必要ないため、維持コストの負担はかなり少ないといえます。
耐用年数が長い
法定耐用年数は、機械式駐車場15年に対して、自走式立体駐車場は31年もしくは34年です。 機械式立体駐車場は15年のため、比較すると耐用年数が長いと言えるでしょう。また、複雑な機械装置がないため、メンテナンスの負荷もかなり少ないと言えます。
安全面の心配が少ない
機械式立体駐車場には、腐食によりパレットが落下する、人が挟まれてケガするなどの重大事故が起こるリスクがあります。 一方、自走式立体駐車場では、死亡事故が起こるなどの重大な事故は起こりにくいでしょう。地震や津波、台風などの災害時にも強く、避難場所にもできます。。
自走式立体駐車場の建て替えを検討するならstageW
この記事では、機械式立体駐車場のパレットについて詳しく説明しました。耐久性や維持コスト面を考えると、リニューアル時期に自走式立体駐車場に建て替えるケースも少なくありません。
もし、自走式立体駐車場を建設できるだけの敷地が確保できるようでしたら、検討してみてはいかがでしょうか。
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