立体駐車場経営は儲かる?
開業の流れと始める前の注意点を解説

立体駐車場経営を検討している事業主様は、次のような不安を抱えているのではないでしょうか。

● 立体駐車場の経営は儲かるだろうか
● 失敗しないためには何に気をつけるべきだろうか
● 開業や営業までにやるべきことは?

この記事は、立体駐車場経営を検討している事業主様へ、事業開始までの流れと注意点を解説します。
自走式立体駐車場と機械式立体駐車場を比較したうえで、開業までの6ステップを紹介するので、参考にしてください。

各種立体駐車場経営のメリット・デメリット

各種立体駐車場経営のメリット・デメリット

立体駐車場は、おもに機械式立体駐車場と自走式立体駐車場の2種類があります。それぞれの経営上のメリットとデメリットについてまとめました。

機械式立体駐車場

今回は、都市部で利用されるエレベーター型の機械式立体駐車場について紹介します。 エレベーター型の機械式立体駐車場とは、昇降機に車両を入れると、エレベーターのようなシステムで建物内に収容するタイプの駐車場です。それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

機械式立体駐車場のメリットは、以下のとおりです。

● スペースの有効利用ができる
● 都市部の狭いスペースを効率的に利用できる
● 車両を垂直に重ねて収容できる
● 土地面積に対する収益性が高い

垂直方向に車を収容するため、土地面積に対して多くの台数を駐車できるのが最大のメリットといえます。とくに土地が狭い都市部などで活用されています。

デメリット

デメリットは、以下のとおりです。

● 駐車できる台数に対してイニシャルコストとランニングコストが高い
● 停電時や故障時にはまったく稼働できない
● 事故が起きると死亡事故など重大事故になる可能性もある

電動で動く施設のため、停電時には動かせないのがデメリットです。また機械に巻き込まれたり、消火施設の誤作動などで死亡事故につながったりするケースもあります。 メンテナンスコストが高いため、稼働率が低いと収支の悪化しやすくなるのも注意点です。

自走式立体駐車場

自走式立体駐車場は、多層階式になっており、スロープを上がっていき自分で駐車します。自走式立体駐車場は、比較的大きな施設が多いのが特徴です。

メリット

自走式立体駐車場のメリットは、以下のとおりです。

● 人件費が低く抑えられる
● ランニングコストやメンテナンスコストが抑えられる
● 車両ナンバー認識システムなどで入出庫管理がしやすい

人が管理する部分が少なく、人件費は少なく済みます。電動施設もエレベーター程度であることからランニングコストも低く抑えられ、 機械式に比べると細かな部品交換などもないため、メンテナンスコストも抑えられます。入出庫管理もカメラや認証システムを利用すれば自動化でき、管理しやすいのがメリットです。

デメリット

自走式立体駐車場のデメリットは、以下のとおりです。

● 広い土地が必要
● イニシャルコストがかかる

大規模な施設となるため広い土地を用意する必要があります。また建設までのイニシャルコストがかかるため、まとまった資金の準備も必要です。

自走式立体駐車場のメリット・デメリットについては、こちらの記事に詳しく解説しています。
関連記事:自走式立体駐車場とは?種類・メリット・規制について

立体駐車場経営の方式

立体駐車場経営の方式

立体駐車場の経営方式について3つ紹介します。

● 自主管理方式
● 委託管理方式
● 一括借り上げ方式

それぞれ詳しく解説します。

自主管理方式

自主管理方式は、すべての管理業務をオーナーが担います。外部に管理を委託しなければ、収入はすべてオーナーのものになり、必要な経費は固定資産税や電気代くらいで済みます。
一方で、やるべき仕事は少なくありません。その業務の一部は、以下のとおりです。

● 利用者の募集
● 契約事務
● 集金
● 点検
● メンテナンス
● 清掃

これらの業務をすべてオーナーひとりで請け負うのは非常に大変であるといえます。

委託管理方式

上記のような業務を管理会社に委託するのが委託管理方式です。トラブル対応やメンテナンスも負担してもらえるため、オーナーの時間的負担は大幅に減ります。
ただし、委託料が毎月発生するため、稼働率が低い場合は委託料が負担となります。時間的負担が減る分、オーナーは稼働率アップの施策立案を行い、利用客集めや利用の継続率アップに注力することが求められるでしょう。

一括借り上げ方式

運営会社に駐車場用地を貸し、設営から運営まですべてを任せるのが一括借り上げ方式です。一般的に、平面駐車場で多く見受けられる経営方式です。 オーナーは、駐車場台数に応じた賃料が毎月支払われます。安定した収入を得られるため、地主など土地を有効活用したい方に向いているでしょう。

立体駐車場経営を検討する際の注意点

立体駐車場経営を検討する際の注意点

立体駐車場経営を検討する際の注意点を次の3つにまとめました。

● ニーズと立地を検討する
● イニシャルコストとランニングコストを把握する
● 収益予測は実質利回りで考える

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ニーズと立地を検討する

駐車場は立地によって収益が大きく影響されます。立地や条件によって、適する貸出方法が異なるので、十分検討したうえで、時間貸しか月極かを決定しましょう。 時間貸しであれば、稼働率と回転率によって収支が変動し、時間帯や曜日によっても変化します。競合の駐車場が近隣に設置されると、料金を下げなければならない場合もあるため、周辺相場のチェックが重要です。 月極の場合は、周辺地域の企業に駐車場が不足しているなどのニーズがある場合に有効です。月極で埋まれば、毎月の定期収入につながり経営が安定するでしょう。

イニシャルコストとランニングコストを把握する

立体駐車場は、機械式も自走式も設置にイニシャルコストがかかります。しかし準備資金は、イニシャルコストだけでは不十分です。 ランニングコストや稼働率を厳しめに設定した収支計算をしたうえで、事業計画を立てましょう。

収益予想は実質利回りで考える

駐車場経営は賃貸経営に比べて税金の負担が大きいといわれています。建物が建っている「住宅用地」の場合は、固定資産税や都市計画税の軽減措置が受けられますが、駐車場の場合は税金の軽減措置を受けられません。

駐車場経営に関係する税金には以下のとおりです。

● 固定資産税
● 都市計画税
● 消費税
● 個人事業税
● 所得税

固定資産税は、更地の評価となり住宅用地の何倍にもなる場合があります。
また、利回りは実質利回りで計算しましょう。実質利回りとは、年間収入から諸経費を引いた金額を総投資額で割ったものです。 管理業者からの提案は、表面利回りで計算されている場合もあるため、一見高利回りで魅力的に見えるかもしれません。 しかしここで重要なのは経費がどれだけかかるか把握することです。稼働率についても7~8割の前提で試算してみるとよいでしょう。

立体駐車場開業までの6ステップ

立体駐車場開業までの6ステップ

最後に立体駐車場開業までの6ステップを紹介します。

1. 事業計画書の作成・契約
2. 資金と土地の確保
3. 各種届出
4. 施設の設計・施工
5. プロモーション
6. 引き渡し・営業開始

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ステップ1.事業計画書の作成・契約

最初のステップは事業計画書の作成です。初期費用・収支予測・維持管理などを考慮したうえで事業計画書を作成しましょう。その際、建設予定地や予定地域についても調査しておきます。
次に資金計画です。「収支計画」と「資金計画」のふたつを作成しましょう。必要な資金の内訳としては、次のようなものがあります。

● 土地取得費
● 施設建設費
● 設備費
● 広告宣伝費
● 求人費

イニシャルコストとランニングコストの2つの視点で資金計画を立てましょう。
事業計画のなかで運営方式の決定も重要です。自主管理、委託管理、一括借り上げのどの方式かによって収支計画の内容が変わってくるからです。 そのうえで専門業者に見積もりを出してもらい、建設を委託する事業者を選定しましょう。

ステップ2.資金と土地の確保

次に資金調達と土地の確保です。もともとの所有地である場合は、土地の確保は不要です。資金調達は、事業計画書をもとに融資をしてもらいます。 スムーズに融資が通るためには、事業計画書をしっかりと作り込んでおくことが重要です。

ステップ3.各種届出

次に各種届出を提出していきます。具体的には次のようなものがあります。

● 開業届
● 法人の設立
● 駐車場法にもとづく各種届出

建設を請け負う業者に代行してもらうケースもあるので、確認しておきましょう。

ステップ4.施設の設計・施工

資金のめどが立てば、いよいよ施設の設計と施工です。工期の目安は、施設の規模などによって違います。工程表をもとに、資材や機材の搬入、基礎工事、鉄骨組み立て、電気・消火設備などの付帯工事を進めていきます。 国土交通大臣認定駐車場であれば、防火被覆が不要だったり消火設備が簡易で済んだりなど、一般の駐車場に比べてコストカットと工期の短縮が可能です。

ステップ5.プロモーション

営業開始前には、宣伝広告による告知をしていきます。また、スタッフが必要なら求人を出し、スタッフを雇用しましょう。

ステップ6.引き渡し・営業開始

施設完成後は、設計プラン通りに相違ないかを最終確認します。検査後は引き渡しがあり、その後いよいよ営業開始です。 定期的なメンテナンスや点検が必要ですが、施工業者が請け負ってくれるとトラブルが少なく済むでしょう。

当サービスの契約の流れについては、こちらの記事を参考にしてください。
関連記事:立体駐車場の契約の流れ

自走式立体駐車場の経営は綿半ソリューションズにご相談ください

自走式立体駐車場の経営は綿半ソリューションズにご相談ください

駐車場の安定経営には、資金計画・事業計画・用地確保・資金確保・各種届出など、多くの工程を慎重に進める必要があります。また、信頼できる施工業者や営業後のメンテナンス業者が不可欠です。

stageWであれば、計画・設計・施工・メンテナンスまで最初から最後まで伴走が可能です。国土交通大臣認定の自走式立体駐車場ですから、耐火に優れ、工期の安定など安心してご依頼いただけます。 自走式立体駐車場の建設を検討中の事業者様は、お気軽にお問い合わせください。ご指定の用地に対して最適なご提案をいたします。


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