機械式駐車場で入庫できるサイズと注意点|サイズオーバーになりがちな車種も紹介

機械式駐車場を利用する際、最も気になるのは「自分の車が停められるか」です。
とくに、大型車をカスタムした車両をお持ちの方にとっては、入庫できるかどうかの判断が難しいケースも少なくありません。
機械式駐車場は、その構造上、入庫できる車のサイズに制限があるため、事前に確認する必要があります。

この記事では、機械式駐車場のサイズに関する注意点や、サイズオーバーになりがちな車種について解説します。
駐車場法施行令第15条の認定基準についても詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

機械式駐車場のサイズに関する注意点

機械式駐車場のサイズに関する注意点

機械式駐車場のサイズに関しては、駐車場法を参考にしましょう。そのほかの注意点とともに以下の3つにまとめました。

● 駐車場法施行令第15条
● 対象となる機械式駐車場の種類
● 認定基準

それぞれ詳しく見ていきましょう。

駐車場法施行令第15条

機械式駐車場は、駐車場法施行令第15条に構造や設備に関する基準が定められています。 駐車スペースに必要な高さや幅についても決められており、その数値をクリアした駐車場が認定対象です。 この認定基準は、機械式駐車場の安全性確保に重要な役割を果たしており、建築基準法も関係しています。

参照:国土交通省|駐車場法施行令第15条の認定基準について

対象となる機械式駐車場の種類

駐車場法施行令第15条の認定の対象となる駐車場の種類は、以下のとおりです。

● 垂直循環方式
● 水平循環方式
● 多層循環方式
● 二段方式
● 自動車用エレベータ
● 方向転換装置(ターンテーブル)
● エレベータ方式
● エレベータ・スライド方式
● 平面往復方式

また、対象とする自動車は、大型のバスやトラックを除く普通自動車と小型自動車または軽自動車です。この場合、二輪自動車は除きます。

参照:「駐車場法施行令第15条に規定する特殊の装置の取扱いについて」の改正について

認定基準

機械式駐車場には、面積や高さなどの規定があります。500㎡以上の駐車場を設置する場合の規定は以下です。

垂直循環方式、水平循環方式、多層循環方式
車路装置と道路の間に自動車2台以上を停められるようにする
またはターンテーブルを設けることができる車路に相当する空地を設ける
駐車スペースの高さ1.6m以上
梁下の高さ2.1m以上

二段式
駐車スペースの高さ1.8m以上
人が入らない駐車スペースの高さ1.6m以上

エレベータ方式・平面往復方式
車路(エレベーターの幅員)収容可能な自動車の幅員+0.5m以上
エレベーターの高さ1.8m以上(人が入らない部分は1.6m以上)

参照:国土交通省|駐車場法施行令第15条の認定基準について

機械式駐車場に入庫する際、サイズで注意すべき車両とは

機械式駐車場に入庫する際、サイズで注意すべき車両とは

機械式駐車場を利用する際は、駐車可能なサイズを確認しましょう。 駐車場ごとに駐車スペースのサイズが違うため、大きめの車両は要注意です。とくに、規定ギリギリのサイズで作られている駐車場は気をつけなくてはいけません。
一般的な械式駐車場のサイズは、全長5,000mm以下×車幅1.800mm以下×車高1.550mm以下です。ここでは、この範囲を超える車種を紹介します。

車幅1800mm以上の車両

車検証に記載されているサイズは、ドアミラーを除いた一番広い部分です。計測範囲には、車の全幅サイズにドアミラーやバックミラー、アンテナが含まれていません。 そのため車幅1,800mm以下の車両でも、多少幅をプラスして考えましょう。

車幅1,800mm以上の車種の例
ランドクルーザー1,980~1,990mm
レクサスLX1,990mm
ハリアー1,855mm
マツダCX-51,845mm
スバルWRX S41,825mm
カローラクロス1,825mm

車幅1,800mmを超える車両は他にもたくさんあります。微妙な車幅の場合は、入庫前に確認を取りましょう。また、軽自動車の一般的な車幅は1,480mmです。

高さ1600mm以上の車両

駐車場法施行令第15条の認定基準によれば、駐車場の梁下の高さは2,100mm、車室の高さは1,600mm以上と設定されています。 とくに人が立ち入らない車室の場合は1,600mm以上といった条件があるため、車高1,600mm以上の車は要注意です。そこで、1,600mm以上の車の事例をまとめてみました。

車高1,600mm以上の車種の例
ダイハツタフト1,630mm
ダイハツムーヴカスタム1,630mm
ダイハツタント1,755mm
三菱eK1,640~1,780mm
日産デイズ1,640mm
スズキハスラー1,680mm
スズキスペーシア1,785mm
スズキエブリィワゴン1,910mm
ホンダNボックス1,670~1,815mm
トヨタアルファード1,850mm
ベンツGクラス1,975mm

人気のワンボックスワゴンやSUVは、車高が高いため、サイズオーバーとなってしまいます。

最低地上高130mm以下の車両

機械式駐車場の場合はパレットの溝にタイヤを入れる仕様になっているものが多く、溝の段差が深いと車の底をすってしまう可能性があります。 車検をクリアする基準は90mmですが、最低でも105~130mmは必要です。車高が低いと底を擦ってしまったり、パレットの溝にはまってしまったりする可能性があります。

車両重量2,000kg以上の車両

重量制限で多いのが1,700~2,000kg以内といった条件です。注意すべきは4WDやハイブリッド車両です。 4WDだと2WDよりも50~100kgほど重くなる場合があります。また、ハイブリッドはガソリンモデルより80~120kgほど重くなるため、注意が必要です。

重量2,000㎏以上の車種の例
ランドクルーザー2,240~2,410㎏
アルファード2,050~2,290㎏
ヴェルファイア2,240~2,310㎏
レクサスLM2,440㎏
日産アリア1920~2,210㎏
以上で例に挙げた車両は、重さはもちろんのこと車高や車幅もオーバーしている可能性が高いため、機械式駐車場には駐車できないケースがほとんどです。

機械式駐車場のサイズで気をつけること

機械式駐車場のサイズで気をつけること

機械式駐車場のサイズで気をつけるポイントは以下の3つです。

● 駐車可能サイズの確認
● 入出庫時の操作
● 車両への損傷

それぞれ詳しく見ていきましょう。

駐車可能サイズの確認

これまで紹介したように、ミニバン・軽ワゴン・SUVは要注意です。高さ・幅・車高などぎりぎりもしくはオーバーの場合が少なくありません。 サイズは、車検証で確認できるので、かならず確認してから駐車するようにしましょう。注意点としては、車検証の車幅にはミラーサイズが含まれていないことです。

入出庫時の操作

駐車場に格納できるギリギリの車両サイズの場合、入出庫時の操作の難易度が上がります。 ハンドル操作やアクセル・ブレーキの加減が難しく、駐車が苦手な方であれば、焦って車両に傷をつけたり、駐車場設備を損傷したりする可能性もあるかもしれません。 また、駐車場で必要な操作も設置されている機械によって異なる場合があるため、入庫する前に説明書きを確認したうえで操作を行うようにしましょう。

車両への損傷

パレットに駐車できたとしても、格納時に車体が機械に当たってしまい、事故が発生する確率はゼロではありません。 また、車体がセンサーに近すぎると誤作動を起こす可能性もあります。車体が低い場合にパレットの溝の段差で車両の底を擦ってしまうなど、ギリギリの車両サイズの車種ほど気をつけましょう。 入庫前には、サイドミラーがたためるか、アンテナを納められるかなども確認しておく必要があります。

サイズを気にせず利用できるのは自走式立体駐車場

サイズを気にせず利用できるのは自走式立体駐車場

都市部では、限られた敷地で効率よく駐車スペースを確保できることから、機械式駐車場が多数設置されています。しかし、車種が多様化していることにより、機械式駐車場が対応していないサイズの車両も少なくありません。とくに人気のミニバンやSUVは車高が高く重いため注意が必要です。

自走式立体駐車場は、よほど特殊な車両でない限り、入庫前にサイズを確認する必要はありません。 国土交通大臣認定のstageWであれば、企画・設計・建築・運営・保守まで一気通貫でお任せいただけます。駐車場建設を検討している事業主様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


資料請求・お問い合わせはこちら >