自走式立体駐車場のデザインとは？工夫すべきポイントや事例を紹介

駐車場は都市に必要不可欠な施設ですが、景観を損ねてしまうケースも少なくありません。
しかし、工夫次第で、自走式立体駐車場は、景観に美しく調和する建築物へと変貌を遂げることが可能です。
この記事では、景観に調和した自走式立体駐車場のデザインについて解説します。
外壁、緑化、照明など、様々なデザインアプローチを通して、景観を向上させるポイントを解説。
機能性とデザイン性を両立させた設計により、都市の未来を彩る駐車場の可能性を探ります。
自走式立体駐車場の建設を検討中の事業者様は、ぜひ参考にしてください。

自走式立体駐車場のデザインが都市景観に与える影響と重要性

自走式立体駐車場のデザインが都市景観に与える影響と重要性について、以下のとおりまとめました。

● 景観を損なうような自走式立体駐車場のデメリット
● 景観に調和するデザインの重要性
● 駐車場デザインの進化とトレンド
● 都市景観と環境への貢献

それぞれ詳しく見ていきましょう。

景観を損なうような自走式立体駐車場のデメリット

都市部では土地の有効活用を目的とした自走式立体駐車場の建設が増加しています。 しかし、近年は建物の景観についても重要視されています。従来型の自走式立体駐車場が景観に与えるデメリットをまとめました。

デメリット	具体的な例
景観の物足りなさ	● 無機質な鉄骨造 ● 周囲の建物や自然環境との調和を欠いたデザイン
周辺環境への影響	● 日照阻害 ● 風通しの悪化

これらのデメリットを回避するためには、建築段階から都市景観への配慮が必要です。単なる機能的な施設としてではなく、都市景観の一部として捉えたうえでデザイン設計しましょう。

景観に調和するデザインの重要性

自走式立体駐車場のデザインは、都市景観に大きな影響を与えます。単なる機能的な施設としてではなく、周辺環境と調和した美しいデザインにする重要性も増しています。

具体的には、以下の様なメリットがあります。

メリット	具体的な例
都市景観の向上	● 周辺環境に配慮したデザイン ● 都市全体の景観向上 ● 緑化・建物の素材・色使いにより周囲の建物や自然環境との調和
周辺住民の満足度向上	● 周辺住民の生活環境の質向上
都市のブランド力向上	● 市全体のブランド力アップ ● 観光客誘致の可能性
地域活性化への貢献	● 地域の魅力アップ ● 地域活性化

近年では、建築物に求められるのは単なる機能性だけでなく、環境への配慮や美しさも重視されています。 自走式立体駐車場においても同様で、高いデザイン性は、都市景観に貢献し、周辺住民や地域社会全体にとってもプラスの影響をもたらすでしょう。 都市計画においても、景観への配慮は重要な要素です。適切なデザインは地域や行政との調整を円滑に進める上でも有効といえます。

駐車場デザインの進化とトレンド

自走式立体駐車場のデザインは、単に機能性を満たすだけでなく、その地域性や文化を反映させるのもおすすめです。 例えば、歴史的建造物が多く残る地域では、伝統的な建築様式を取り入れたデザイン、近代的な高層ビルが立ち並ぶ地域では、スタイリッシュで洗練されたデザインを採用するなど、周囲の建築物と調和した景観を創出できます。 地域特有の素材や色調を用いることで、より一層の地域との一体感を演出できるでしょう。
また、夜間における照明デザインは、立体駐車場の印象を大きく左右します。その際は、周辺環境への配慮が不可欠です。 光害を抑制するため、光量や照射方向を適切に調整するなど気をつけましょう。その際は、LED照明の採用や、センサーによる自動点灯・消灯システムの導入などが有効です。 また、防眩性能の高い照明器具を使用することで、ドライバーの視界を確保し、安全性を高める効果が期待できます。立体駐車場自体をライトアップするのもおすすめです。 夜間の街の景観にアクセントが加わり、魅力的なランドマークとして宣伝効果も得られます。

都市景観と環境への貢献

自走式立体駐車場のデザインは、周辺環境との調和を第一に考慮すると良いでしょう。 そのため、周囲の建物や緑地、街並み全体の雰囲気を踏まえ、景観に溶け込むようなデザインにしたいものです。 具体的には、建物の色調や素材、形状などを周辺環境に合わせるよう調整するなど。 また、壁面緑化や屋上緑化などを積極的に取り入れることで、無機質な建築物をカバーし、自然との調和が図れます。 加えて、都市のヒートアイランド現象の緩和にも貢献できるのでおすすめです。

その他、自走式立体駐車場のメリットなどについては合わせて下記記事をご確認ください。
⇒自走式立体駐車場とは？種類・メリット

自走式立体駐車場のデザインを考える際に工夫すべきポイント

自走式立体駐車場のデザインを考える際に工夫すべきポイントについて以下の3つにまとめました。

● 環境に配慮したデザインや設備を選ぶ
● 景観と建物との調和を意識する
● 夜間のライトアップを有効に使う

それぞれ詳しく見ていきましょう。

環境に配慮したデザインや設備を選ぶ

地球温暖化の影響で、2018年に施行された気候変動適応法により、企業にも努力義務が課せられています。 自走式立体駐車場においては、屋上緑化や壁面緑化が、都市のヒートアイランド現象の緩和に貢献できる対策といえます。 そのほかにも太陽光発電や雨水利用、省エネ照明を採用するなど、デザインや設備を取り入れるとよいでしょう。

参照：気候変動適応法

景観と建物との調和を意識する

周辺の建築物との調和を考慮したデザインも重要です。建物の高さ、色調、素材など周辺環境に合わせ、統一感を持たせることで景観との調和を図りましょう。 街全体の景観を損なわないだけでなく、むしろプラス効果をもたらす可能性もあります。 例えば、近隣の建物の色調を参考に外壁の色を選定したり、建物の形状を周辺の建物に合わせたデザインにしたりして、一体感を演出するなどです。 ほかにも建物の周囲に植栽を配置して緩衝帯を作り、無機質な外観を和らげる効果を狙うのもおすすめです。

夜間のライトアップを有効に使う

夜間における照明デザインは、立体駐車場の印象を大きく左右します。建物自体をライトアップすれば、建物の形状や素材を活かした魅力的なランドマークとして有名になるかもしれません。 ただし、周辺環境への配慮や光害の抑制も不可欠です。 そのためには、LED照明の採用や、センサーによる自動点灯・消灯システムの導入なども検討しましょう。

デザイン性が高い自走式立体駐車場の事例

デザイン性が高い自走式立体駐車場の事例を2つ紹介します。

● 壁面緑化
● 照明

数多くある弊社の施工例の一部ですが、参考にしてください。

壁面緑化（集合住宅の事例）

壁面緑化（商業施設の事例）