空港駐車場を効率化する自走式立体駐車場とは?施工のポイントも紹介

駐車場不足、慢性的な混雑、そして利用者のストレス……。空港駐車場における課題解決の手段として注目されているのが「自走式立体駐車場」です。
増加する航空旅客需要に対応するため、限られた敷地を最大限に活用し、収容台数を増やすことは空港経営にとって重要な課題です。
自走式立体駐車場は、その効率性と利便性から、多くの空港で導入が進んでいます。
この記事では、空港駐車場において自走式立体駐車場が選ばれる理由や、施工のポイント、そして施工事例まで、詳しく解説します。
快適な空の旅をサポートする空港駐車場の最適解を探している方は、ぜひ最後までご覧ください。

空港で自走式立体駐車場が選ばれる理由

空港で自走式立体駐車場が選ばれる理由

空港で自走式立体駐車場が選ばれる理由を以下の3つにまとめました。

● 高い利便性と効率性
● メンテナンスの負担
● 安全性の向上

それぞれ詳しく見ていきましょう。

高い利便性と効率性

空港利用者は時間厳守が求められるため、駐車場での待ち時間は大きなストレスとなります。 自走式立体駐車場は、ドライバー自身が車を運転して駐車するため、機械式立体駐車場のように入出庫に時間がかからず、利便性が高い点が大きなメリットです。 また、平面駐車場と比較して、限られた敷地面積を有効活用し、収容台数を大幅に増加させることも可能です。 最新の誘導システムを導入すれば、入出庫の時間をさらに短縮できるでしょう。スムーズな入出庫は利用者の満足度向上につながり、空港全体の効率化にも貢献します。

メンテナンスの負担

自走式立体駐車場は、鉄骨造で耐久性が高いのが特徴です。適切なメンテナンスをすれば、何十年も問題なく利用できます。 保守費用も機械式立体駐車場に比べるとかなり低く、建築後のコスト負担は比較的軽いといえます。

安全性の向上

自走式立体駐車場は、ドライバー自身が入出庫を管理するため、機械の故障によるトラブルが少ない点が挙げられます。 また、各階層が独立している構造であるため、万が一、火災が発生した場合でも、ほかの階層への延焼を抑制しやすく、避難も容易です。 さらに、適切な照明や監視カメラの設置により、防犯対策を強化できます。

空港運営側が得られる自走式立体駐車場のメリット

空港運営側が得られる自走式立体駐車場のメリット

空港における自走式立体駐車場の導入は、単なる駐車スペースの確保を超えて多大なメリットをもたらします。 ここでは、空港経営の観点から、その主要なメリットを以下で解説します。

● 駐車場収益の最大化
● スペース効率の最適化
● 環境への配慮と持続可能性

それぞれ詳しく見ていきましょう。

駐車場収益の最大化

空港駐車場は、航空旅客の増加に伴い、常に収容台数の不足が課題となっています。 同じ敷地面積でも、平面駐車場と比較すると、自走式立体駐車場のほうが限られた敷地面積を最大限に活用できます。 例えば、成田空港が調査した、1日あたりの入港車両台数は28,022台と、かなりの規模です。 このように、空港では一定の利用客が見込めることから、収容台数の多い大規模な駐車場が適しています。
また、時間割の料金と1日料金を設定しておき、長期利用者に積極的に利用してもらうようにするとよいでしょう。 1日の料金を比較的割安に設定しておけば、空港から旅立って、再び戻ってくる予定の人から、数日分の長期駐車料金を得られます。 これは、駐車料金収入の増加に直結し、空港経営の収益向上に大きく貢献するでしょう。

スペース効率の最適化

空港周辺の土地は高価であり、有効活用が求められます。 自走式立体駐車場は、垂直方向のスペースを有効活用できるため、限られた土地面積で多くの駐車スペースを確保することが可能です。

環境への配慮と持続可能性

近年、環境問題への意識の高まりから、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが重要視されています。 自走式立体駐車場は、従来の平面駐車場と比較して土地利用効率を高めることで、環境負荷の低減に貢献します。 また、太陽光発電システムや雨水利用システムなどの環境配慮型設備との組み合わせも容易で、更なる環境負荷の低減を目指せるでしょう。 省エネルギーへの具体的な取り組み例としては、以下のようなものがあります。

● 屋上空間や壁面に太陽光パネルを設置する
● 壁面や屋上を緑化する
● 照明をLED化する
● カーシェアリングやEV充電施設を取り入れる

これらの取り組みは空港の環境配慮への姿勢を示すことにつながり、企業イメージの向上も期待できるでしょう。

自走式立体駐車場の特徴やメリットなどについては合わせて下記記事をご確認ください。
自走式立体駐車場とは?種類・メリット

空港における自走式立体駐車場施工のポイント

空港における自走式立体駐車場施工のポイント

空港における自走式立体駐車場を建設する際のポイントは以下のとおりです。

● 空港の規模や利用状況に合わせた設計
● 壁法規制の遵守
● 利便性や安全性の確保

それぞれ詳しく見ていきましょう。

空港の規模や利用状況に合わせた設計

空港の敷地は限られているため、複雑な地形や既存施設との兼ね合いを考慮する必要があります。 この理由により、自走式立体駐車場を建設する際は高度な設計力と、限られたスペースでの効率的な施工能力が求められます。 メーカーの設計部門の能力、施工体制、そして最新の技術導入状況を綿密に確認しましょう。 特に、空港の運営に支障をきたさないよう、短工期での施工能力も重要な要素となります。 3D設計やシミュレーション技術を活用した設計、そして安全管理体制の整備状況についても確認が必要です。

法規制の遵守

空港における自走式立体駐車場の施工においては、まず航空法をはじめとする関連法規の遵守が不可欠です。 特に、航空機の安全運航に影響を及ぼす可能性のある高さ制限や周辺環境への配慮、防災対策など、厳しい規制が課せられるケースが少なくありません。 設計段階からこれらの法規制を綿密に検討し、専門機関との連携を密にすることで、スムーズな施工と安全な運用を実現できます。 また、建築基準法や消防法などの一般的な建築基準についても厳格な遵守が求められます。

利便性・安全性の確保

空港利用者にとって、駐車場は利便性と安全性が最も重視される要素です。そのため、自走式立体駐車場の設計・施工においては、以下の点に配慮する必要があります。

● 空港ターミナルへのスムーズなアクセス
● 十分な車路の幅や駐車スペースの確保
● 夜間や悪天候時でも安全に利用できるための照明計画
● 防犯カメラや照明によるセキュリティ対策
● 高齢者や障がい者などに対するバリアフリー設計

また、海外からの利用者のためにピクトグラムを使った案内表示や多言語による音声誘導装置など、国外からの観光客にも対応しましょう。

自走式立体駐車場の施工における当社の強み

自走式立体駐車場の施工における当社の強み

国土交通大臣認定の自走式立体駐車場メーカーであるstageWでは、以下のような強みがあります。空港駐車場の建築も請け負っているので、その一部を紹介します。

高い技術力と豊富な実績

空港規模のプロジェクトは、高い技術力と豊富な経験が不可欠です。stageWは国土交通大臣認定の自走式立体駐車場のため、品質に対して絶対的な自信があります。 また、自社で研究開発しており、岐阜技術センターでは安全性が高く利便性のよい駐車場開発に余念がありません。 このほか、見通しがよく開放的な車室を実現させたスーパーロングスパン構造も、お客様の利便性や快適性に寄与します。緑化部門では、緑の維持管理まで一貫体制でサポートが可能です。 雨水貯留システムなどを有効活用しつつ、非常時には避難場所としても活用いただけるよう取り組んでいます。

設計・施工対応力

お問い合わせから施工、アフターフォローまで一気通貫して対応を行うため、各部門との連絡体制もスムーズです。お問い合わせから点検までの流れは以下のとおりです。

1.お問い合わせ
2.調査
3.提案
4.見積もり
5.契約
6.施工
7.検査・引き渡し
8.メンテナンス
9.定期点検

これら一連のことを一気通貫で対応できる点が、総合メーカーとしての強みです。 スケジュール通り完了できるよう現場責任者が配置されます。また、電気・消火設備の付帯工事もお任せください。

最新設備の提案

近年、自走式立体駐車場の設備の発展により、お客様や事業主様の負担は大幅に減っています。最新設備の提案として、以下のようなものがあります。

● 事前精算機・車番認識システム
● キャッシュレス決済
● 多言語対応の音声誘導システム
● ETC多目的利用システム
● 空きスペースを検知して総合案内板で表示

最新設備の導入により、入庫から出庫までの時間を短縮し、混雑時のストレスを感じさせにくくすることができます。 この結果、お客様の満足度を高められると好評です。また、事業者側は精算が簡易になるメリットがあります。

当社の事例

当社の施工事例として2件紹介します。

事例1:愛知県常滑市空港駐車場
愛知県常滑市空港駐車場
中部国際空港に建設した4層5段の駐車場です。

● 床型式:フラット式
● 建築棟数:2棟
● 収容台数:1,291台
● 床面積:30,715㎡

事例2:山口県岩国市空港駐車場
山口県岩国市空港駐車場

岩国錦帯橋空港(山口県岩国市)に建築した2層3段の自走式立体駐車場です。

● 床型式:フラット式
● 収容台数:421台
● 床面積:7,033㎡

自走式立体駐車場についてはstageWにお任せください

自走式立体駐車場についてはstageWにお任せください

この記事では、空港駐車場における自走式立体駐車場の利点、施工における重要なポイント、そして導入事例について解説しました。 限られた土地資源を有効活用し、高い利便性と安全性を両立する自走式立体駐車場は、空港経営の効率化に大きく貢献します。

自走式立体駐車場の導入を検討する際は、実績と信頼性のあるメーカー選びが不可欠です。 stageWは、自走式立体駐車場の老舗メーカーで、豊富な建築実績があります。設計・施工、アフターサービス、そしてコストパフォーマンスなど総合力の高いパートナーといえます。

自走式立体駐車場導入に関するご相談は、stageWへお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが、貴空港の状況に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。


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