都市部を中心に、限られた土地を有効活用できる立体駐車場は、多くの施設で導入されています。
立体駐車場には、大きく分けて自走式立体駐車場と機械式立体駐車場の2種類が存在します。
どちらを選ぶかによって、電気代などのランニングコストが大きく変わるでしょう。
そこで、この記事では、自走式立体駐車場の電気代について、機械式立体駐車場との比較を交えながら解説します。
それぞれのメリット・デメリットを把握し、自社にとって最適な駐車場選びの参考にしてください。
自走式立体駐車場の電気代

自走式立体駐車場を避難所として活用する際のポイントを5つ紹介します。
● 照明
● 監視カメラ・セキュリティシステム
● 精算機・ゲート
● 空調
● EV充電器
これらの設備について、詳しく見ていきましょう。
照明
駐車場内全体を明るく保つためには、多数の照明が必要です。照明の種類や数、点灯時間によって電気代は変動します。例えば、24時間営業の駐車場では、日中だけでなく24時間照明が稼働します。
また、広い駐車場では、多くの照明の設置が必要なため、電気代は高くなる傾向にあります。
最近では、LED照明の導入や人感センサーの設置など、省エネ対策も進んでいます。
LED照明は、従来の照明に比べて消費電力が少なく長寿命であるため、導入コストはかかっても長期的に見ると電気代の削減が見込めるでしょう。
LED照明に加えて人感センサーを設置すれば、必要なときだけ照明を点灯さられ、無駄な電力消費を抑えられます。
監視カメラ・セキュリティシステム
駐車場内での安全を守るために、監視カメラやセキュリティシステムが常に稼働してます。
近年では、AIを活用した画像解析システムなど、より高度なセキュリティシステムが登場しており、従来のシステムに比べて電力消費は増加傾向にあります。
セキュリティの向上は、駐車場利用者の安心感に繋がり、利用率の向上に貢献します。ただし、電気代を抑えるためには安全性と省エネルギー性を両立できるような製品を選ぶことが大切です。
例えば、必要なときだけ録画する機能や、省電力モードを備えた監視カメラなどの導入などです。システムの性能の高さで選ぶことは重要ですが、消費電力という観点も忘れないようにしましょう。
精算機・ゲート
精算機やゲートは、駐車場運営中は常に稼働しているため、電力消費が発生します。 特に、24時間営業の駐車場や利用者の多い駐車場では、精算機やゲートの稼働時間が長くなり、電気代が高くなる傾向にあります。 最新の精算機やゲートには、省電力モードや必要なときだけ稼働するセンサーなどが搭載されているものもあります。 また、太陽光パネルを壁面などに設置し、日中の電力供給を確保するのもおすすめです。
空調
駐車場に使用される空調は、基本的にエレベーターシステムと管理人室程度です。そのため、全体の電気代に占める電気代の割合は多くないでしょう。 エレベーターホールの空調を省エネで性能のよいものにしたり、自然換気を取り入れたりする工夫は必要です。
EV充電器
電気自動車(EV)の普及に伴い、駐車場にEV充電器を設置するケースが増えています。 EV充電器の設置は、駐車場利用者の利便性を向上させ、集客にも繋がる有効な手段です。 経営者側の電気代負担に関していえば、充電器の種類や出力、利用状況、利用者への料金などにより大きく変動します。 利用料金を利用者に支払ってもらうことで収益になりますが、料金設定次第でプラスのコストになる可能性もあるので注意しましょう。
自走式立体駐車場と機械式立体駐車場の電気代比較

立体駐車場には「自走式立体駐車場」と「機械式立体駐車場」の2種類があり、かかる電気代は2つのタイプで大きく異なります。
自走式立体駐車場
自走式立体駐車場は、利用者が自分で車を運転して駐車する方式で、「電力消費が比較的少ない」「管理が簡単で運用コストが低い」という特徴があります。
電力消費が比較的少ない
自走式立体駐車場は、車両を昇降させるためのモーターやリフト機構を使用しないため、機械式立体駐車場に比べて電力消費が少なめです。 基本的には、料金ゲートや照明、監視カメラなどが主な電力消費要因となります。
管理が簡単で運用コストが低い
自走式立体駐車場は、機械的な設備を必要とせず、構造が比較的シンプルなため、メンテナンスが容易です。運用コストも低く抑えられ、常駐の管理人が不要な場合もあります。
機械式立体駐車場
機械式立体駐車場は、機械装置を使って車両を格納・搬送する方式です。自走式立体駐車場に比べて、電力消費と維持費がかかります。
高い電力消費
機械式立体駐車場は、車両を昇降させるための大型モーターや制御装置が必要なため、電力消費はかなり多くなります。
高い維持費
機械式立体駐車場は、設備が複雑で、メンテナンスや修理のコストを考慮して資金計画を立てる必要があります。 長期的なランニングコストは自走式立体駐車場に比べて高くなる可能性があります。
自走式立体駐車場がランニングコスト的にお得な理由

自走式立体駐車場は、機械式立体駐車場に比べて以下の点でランニングコストが有利です。
トータルコストが抑えられる
イニシャルコストは、大規模建築となる自走式立体駐車場のほうが高額になることもあります。 ただし、機械式立体駐車場は、都市部に建設されることが多いため、土地代を含めた初期投資のどちらが多いかは一概に比較できません。 車両を昇降させるための複雑な機械装置を必要とする機械式立体駐車場は、耐用年数が短めで、メンテナンス費用が多くかかるなどの問題点もあります。 そのため、耐用年数が長くメンテナンス費用が安い自走式立体駐車場のほうが、トータルコストを抑えられる可能性は高いといえます。
電力消費が少ない
機械式立体駐車場は、車両を昇降・搬送するために、大型のモーターや油圧装置などを稼働させる必要があり、多くの電力を消費します。 一方、自走式立体駐車場は、照明や換気設備などの電力消費が主で、機械式立体駐車場に比べて電力消費を大幅に抑えられます。 最近では、自走式立体駐車場の屋上空間や壁面に太陽光パネルを設置し、日中電力を補う事例も増えており、環境保護の点からもおすすめです。
設備の維持管理が簡単
機械式立体駐車場は機械装置を定期的に点検・メンテナンスする必要があり、専門の技術者による維持管理が不可欠です。 一方、自走式立体駐車場は、機械設備が少なく、構造がシンプルなため、メンテナンスが容易で、維持管理費用を抑えられます。 例えば、機械式立体駐車場では、装置の劣化や故障による修理・部品交換の費用が発生しますが、自走式立体駐車場では、そのような費用はほとんどかかりません。 維持管理が容易なため、長期にわたって安定した運営が可能です。
リニューアル費用が抑えられる
建築基準法で定められた鉄筋コンクリート造の建築物の耐用年数は47年であるのに対し、機械式立体駐車場の機械装置の耐用年数は一般的に15年程度といわれています。 つまり、機械式立体駐車場は、約15年ごとに機械装置を更新する必要があり、その際に多額のリニューアル費用が発生するのです。 また、機械装置のメーカーによっては、部品の供給が終了してしまう場合もあり、修理やメンテナンスが困難になることもあるでしょう。 一方、自走式立体駐車場は、構造躯体の耐用年数が長いため、リニューアルの頻度が低く、費用も抑えられます。
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