屋内駐車場経営のメリット・デメリットを解説

駐車場経営を検討する際、屋内駐車場にするべきか屋外駐車場にするべきか迷いますよね。
おそらく以下のような疑問をお持ちでしょう。
「屋内駐車場の種類は?」「メリットとデメリットを知ったうえで検討したい」「コスト的な負担は?」
この記事では、屋内駐車場の経営を検討している方のために、屋内駐車場建設のメリット・デメリットを解説します。注意点なども紹介するので参考にしてください。

屋内駐車場とは

屋内駐車場とは、建物の内部や地下部分に設置された駐車スペースのことを指します。これにより、駐車中の車両が雨風や雪、日光などの外的要因から保護されるため、車の劣化を防ぐ効果があります。 屋内駐車場は地下に設けられることもあり、商業施設、オフィスビル、マンションなどでよく見られる形式です。また、セキュリティや防犯面でも優れていることが特徴です。

屋内駐車場の種類

屋内駐車場の種類

屋内駐車場にもさまざまな種類があり、おもには以下のとおりです。

● 自走式立体駐車場
● タワーパーキング
● マンション内の平面駐車場
● 地下駐車場
● 高架下駐車場
● ガレージ

順に見ていきましょう。

自走式立体駐車場

自走式立体駐車場とは、ドライバー自らが運転して入出庫する駐車場です。階層をスロープで登りながら駐車スペースまで移動します。
車高や重量の制限も少なく、一般的な乗用車であれば、ほとんどの車種が駐車できるのがメリットです。 さらに耐震性や耐火性に優れているため、災害にも強いのが特徴といえます。洪水や津波などの自然災害時には避難場所としての役割も期待されています。
マンション・商業施設・公共施設など、さまざまな場所で利用されており、普段から目にする機会も多いでしょう。自走式立体駐車場については、こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

自走式立体駐車場の種類には何がある?違いを詳しく解説

タワーパーキング

タワーパーキングは機械式駐車場の一種で、垂直方向に車を積み上げて駐車する仕組みです。省スペースで多くの駐車台数を確保できるので、都市部の限られた敷地でも効率のよい経営が可能です。
タワーパーキングは、一般的な機械式立体駐車場とは違い、建物で覆われているため屋内駐車場の一種といえます。都市部のマンション・商業施設・公共施設に多く利用されています。

マンション内の平面駐車場

マンションの1階部分や地下を駐車スペースにしている場合も屋内駐車場の一種といえます。雨を防ぐ屋根があり、マンションから直接アクセスできるのがメリットです。 ただし、駐車スペースは限られた台数のみとなり、入居者が使用する場合が多い点に留意しておきましょう。

地下駐車場

地下駐車場とは、地下に建設された平面駐車場のことをさします。外気の影響を受けないため、比較的夏は涼しく冬は暖かいのがメリットです。 騒音や排気ガスなどの配慮が必要ですが、雨風を防げて快適に利用できるのが特徴です。
一方で、地震や火災などの災害時に出入口が自動で閉じる場合があるため、非常口や避難方法を確保および確認しておく必要があります。

高架下駐車場

電車などの高架下を利用した駐車場で、高架が屋根代わりになります。駅近くにある場合が多く、電車を利用する人には利便性が高いでしょう。
高架の位置が高ければ、車両の高さ制限を気にせず駐車できるのもメリットです。ただし高架下には支柱が多いため、広い駐車スペースを確保しづらいといったデメリットもあります。

ガレージ

ガレージは、屋根と壁およびシャッターがある駐車場のことを指します。車をしっかり保護したい人に人気がある駐車場です。
アパート経営の一環として、賃貸物件にガレージがついている「ガレージハウス」といったものも存在します。車やバイクなどを趣味にする人に需要が高い一方で、経営効率はそれほど高いとはいえません。

屋内駐車場のメリット

屋内駐車場のメリット

屋内駐車場には次のようなメリットがあります。

● 車両を保護してくれる
● 安全性が高い
● 利便性が高い

屋外駐車場に比べて設置コストが高い反面、上記のメリットのために需要も高いといえます。それぞれ詳しく解説していきましょう。

車両を保護してくれる

屋内駐車場は、屋根や壁が設置されているため、さまざまなダメージから車両を保護してくれます。屋外に駐車している車両が受けるダメージには次のようなものが考えられます。

● 紫外線
● 雨風
● 鳥の糞
● いたずら
● 盗難

さらに、屋根や壁に守られているため、洗車やメンテナンスの頻度を減らすことができるといったメリットもあるでしょう。

安全性が高い

屋内駐車場は安全性が高いのがメリットです。その理由は、屋外に比べて侵入のハードルが高く、盗難の予防効果があるためです。防犯カメラや警備員を配置すればさらに防犯性を高められるでしょう。
また、子どもが駐車場で遊んでいてボールが当たるなどの危険性もなく、偶発的な事故やいたずらなどの可能性は屋外と比べ低いといえるでしょう。

利便性が高い

屋内駐車場の利便性が高い理由は、雨や雪の日でも屋根や壁が防いでくれるため、乗り降りに負担が少ない点です。荷物が多いときや小さな子どもと一緒に乗り降りする際、雨に濡れる心配がありません。
また、足元がコンクリートやアスファルト舗装のため歩きやすいのもメリットです。場合によっては直接利用施設につながっていることもあり、一度も屋外に出ることなく用事を済ませることができます。

屋内駐車場のデメリット

屋内駐車場のデメリット

屋内駐車場のデメリットは下記のとおりです。

● 初期投資額が大きい
● メンテナンスコストがかかる
● 法令に注意が必要

それぞれ詳しく解説していきましょう。

初期投資額が大きい

屋外の平面駐車場に比べると建設費用がかかるのが大きなデメリットです。初期投資額が大きくなるため、ビジネスプランや採算性をしっかり考えておく必要があります。 また、駐車場経営をやめて土地をほかのビジネスに利用したい場合、解体費用の負担が大きいのもデメリットです。

駐車場の建設費用については、以下の記事でも解説しているのでぜひご覧ください。
自走式立体駐車場の建設費の目安は?メンテナンスやリニューアル費用も解説

メンテナンスコストがかかる

平面駐車場より立体駐車場のほうがメンテナンスコストは高く、さらに自走式立体駐車場より機械式立体駐車場のほうがメンテナンスコストが高いといえます。
駐車場経営には定期的なメンテナンスが必要なため、初期の建築費に加え、毎年かかるメンテナンスコストの負担も把握しておきましょう。 また、耐用年数や減価償却費用も考慮しておく必要があります。
以下の記事では、駐車場のメンテナンスコストなどについて解説しているので参考にしてみてください。

立体駐車場の耐用年数は?メンテナンスのポイントや建て替えのサインを解説
自走式立体駐車場はメンテナンスフリー?必要な保全・補修について解説

法令に注意が必要

屋内駐車場経営には、建築基準法や消防法などの法令を遵守する必要があります。また建設する前に予定地がある自治体の条例の確認も必要です。
関係している法令にはおもに次のようなものがあります。

● 駐車場法
● 都市計画法
● 消防法
● 野外広告物法
● 水道法
● 下水道法
● 都市緑化法
● 建築物省エネ法
● バリアフリー法
● 建築基準法
● 道路交通法

駐車場法では、出入口の場所や広さ、車路の幅員、防火や照明の細かい規定などが細かく決められています。 屋外平面駐車場に比べると、対応しなければならない法令が多いのがデメリットといえます。

屋内駐車場に関するよくある質問

屋内駐車場に関するよくある質問

屋内駐車場に関するよくある質問を集めました。

● 屋内駐車場に関係する建築基準法は?
● 屋内駐車場の賃貸って?
● 駐車場の収入は不動産収入?

順に見ていきましょう。

屋内駐車場に関係する建築基準法は?

建築基準法は「国民の生命・健康・財産の保護・公共の福祉の増進」のために1950年に制定されました。その中でも屋内駐車場に関係が深いのが建築基準法施行令第9条です。
また、屋内立体駐車場を建設する際には、建設予定地がある自治体に事前に確認申請の提出が必要です。そのため建設予定地の自治体の条例を確認しておく必要があるでしょう。

自走式立体駐車場に関する建築基準法については、こちらの記事を参考にしてください。
自走式立体駐車場建設に関する建築基準法とは?規定や条例についても解説

屋内駐車場の設置に必要なスペースは?

標準的な駐車場の面積は、1台あたり2. 5m×5. 0m=12. 5㎡程度です。例えば大型車種を駐車できるようなスペースや、歩行者が安全に通行できるようなスペースを確保しておく必要があります。
また、屋内駐車場の場合、建物の形に合わせて設置する場合が多いため、面積に対して想定より確保できるスペースが少なくなる可能性があるため、設計時に注意が必要です。

駐車場の収入は不動産所得か事業所得か?

駐車場収入の所得は運用形態・事業規模によって「不動産所得」「事業所得」「雑所得」のいずれかに分類されます。
不動産所得と事業所得の違いは、経営者の責任で自動車の管理をしているかによります。 場所を提供している場合や一括借り上げ方式なら不動産所得( =土地貸し) 、オーナーとして駐車場経営しているなら事業所得となります。
事業として認められるのは、およそ50台以上の駐車場を運営しているのが目安です。ただし、屋内駐車場は建築物のため、台数を問わず事業所得と認められます。

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この記事では、屋内駐車場について詳しく説明しました。屋内駐車場といっても、自走式と機械式( タワーパーキング) の両方があり、どちらにも経営メリットがあります。 ただし自走式立体駐車場の場合は、メンテナンスコスト・耐用年数などにおいて、機械式立体駐車場に勝るメリットがあるでしょう。

stageW は、自走式立体駐車場の建築に関しては長年の実績があり、最適な提案が可能です。煩雑な法令や条例への対応、確認する作業などもお任せください。 国土交通大臣認定の自走式立体駐車場メーカーとして多くの事例を手掛けているため、お客様のニーズにあわせて提案させていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。


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