立体駐車場の使い方とは?
種類ごとの使い方や注意ポイントを紹介

立体駐車場にはいくつか種類がありますが、日本損害保険協会のデータによると、車両事故の30%は駐車場内で発生しているのをご存じでしょうか。
この記事では、立体駐車場の安全な使い方や注意ポイントについて解説します。また、使いやすい立体駐車場についても紹介します。

立体駐車場の特長と使い方

立体駐車場の特長と使い方

立体駐車場は大きく分けて次の2種類があります。

・機械式立体駐車場
・自走式立体駐車場

使い方と特長についてみていきましょう。

機械式立体駐車場

機械式立体駐車場の使い方は、次のとおりです。

1.機械装置でパレットを呼び出す
2.同乗者や荷物を下ろす
3.ドアミラーを閉じる
4.バックでパレットに駐車する
5.機械操作で格納する

前進で入庫する場合は、駐車装置の前にある鏡を見ながらタイヤをパレットに載せます。入庫後は、機械が自動で駐車スペースへ格納してくれるため、運転手は操作パネルをタッチするだけです。 操作は慣れるまで戸惑うかもしれませんが、それほど難しくありません。安全確認をしっかり行い、所定のスペースに駐車しましょう。

機械式立体駐車場は、都心のオフィスや商業施設など狭い敷地内で効率よく車を収容できます。都市の中心部では車をエレベーターのように運んでくれるタワー式が主流です。 一方、マンションなどでは地上二段式やピット式といって、上下に収容するタイプが多く利用されています。

便利な反面、気をつけなくてはならないのが車両サイズです。収納できる車の高さや幅に制限があり、ミニバンやSUVは、サイズオーバーで駐車できないことも多々あります。また、タイヤ幅がオーバーしている場合も駐車できません。

機械式立体駐車場の制限については、こちらで詳しく解説しています。
立体駐車場のサイズ高さ・奥行きについて!高さ制限や法的規制ついても解説く解説

自走式立体駐車場

自走式立体駐車場は、各階がスロープでつながっており、自分で運転して駐車スペースに車を収容します。大規模な駐車場が多く、商業施設に付属して設置されているものも少なくありません。 下から駐車スペースが埋まっていくので、混雑時には屋上もしくは屋上付近まで昇っていく必要があります。

利用時の注意点としては、カーブやすれちがい時の事故に気をつけることです。車路の幅に関する規定があるため、一定以上の広さは保証されていますが、事故を防ぐ対策は求められます。 とくに駐車場の入り口付近は歩行者との事故が起こりやすいため、出庫を知らせるランプをつける、鏡を設置して左右を確認しやすくするなどの対策が必要でしょう。

機械式立体駐車場の種類と使い方の注意ポイント

機械式立体駐車場の種類と使い方の注意ポイント

機械式立体駐車場は、大きく分けて次の2種類があります。

・二段・多段方式
・大型装置

どのような注意ポイントがあるか詳しく紹介します。

二段・多段方式

機械式駐車場の約65%を占めるのが二段式や多段方式です。限られた敷地でも効率よく駐車台数を増やせるため、マンションなどで多く利用されています。
左右の幅が狭いので駐車の難易度が高く、先に荷物や同乗者が下りるなど注意点がいくつかあります。ほかにも次のような点に気をつけましょう。

・ドアミラーやアンテナをたたむ
・アクセルを踏み過ぎない
・ストッパーを乗り越えて正しい位置につける
・窓やサンルーフが閉まっているか確認する
・装置内や装置付近に人がいないか確認する

上記の点を怠ると重大な事故につながりやすいため注意が必要です。操作ミスを防ぐために、取扱説明書を確認したり、安全講習などを受けたりする必要がある、と国土交通省は促しています。

大型装置

垂直循環方式とエレベーター式の2種類があり、機械式駐車場の27%を占めています。街の中心地に多くみられ、「タワー式」とも呼ばれています。 垂直方向に駐車スペースをとるため、限られた敷地に多くの駐車スペースを確保できるのがメリットです。
垂直循環式は、複数パレットを観覧車のように連続循環させます。それに対し、エレベーター式は、駐車室と昇降装置を組み合わせて立体的に駐車させます。どちらのタイプもパレット内に前進して停止位置に停めるだけです。
使い方の手順は次のとおりです。

1.正面に設置されたミラーを見ながら前進して入庫
2.タイヤの側面をレーンにこすらないように気をつける
3.停止の表示が出るところまで進める
4.停止後はパーキングレンジにしてサイドブレーキを引く
5.アンテナやサイドミラーを閉じる

降車後は、機械が自動で車を収納してくれます。二段式や多段式と同様、運転者以外は装置内に入らないようにしましょう。 商業施設に付属しているものであれば係員が常駐している場合が多く、操作や誘導をしてもらえるので安心です。

自走式立体駐車場の種類と使い方の注意ポイント

自走式立体駐車場の種類と使い方の注意ポイント

自走式駐車場には次の3つの種類があります。

・フラット式
・スキップ式
・連続傾床式

どのタイプも基本的な使い方は同じです。それぞれの特徴と使い方のポイントを順にみていきましょう。

フラット式

平らな階層をスロープでつなぐ形式で、自走式駐車場の基本タイプです。規模の大小にかかわらず建設できるうえ、フロア全体が平らで駐車しやすいのがメリットです。 ショッピングカートを利用する商業施設や車いすの方が利用する病院などに適しています。

スキップ式

フロアを段違いに組み合わせ、半階ずつスロープでつなぐ形式です。下から順に昇っていきながら空きスペースを見つけます。 狭い敷地でも駐車台数を確保でき、集合住宅や一般の時間貸し駐車場にも適しています。傾斜や段差のある敷地に最適で、敷地の形状を無駄なく利用できるのもメリットです。

連続傾床式

フロアを緩やかに傾斜させ、各階層をらせん状につないでいます。下から順に昇っていきながら空きスペースを見つけて駐車します。スロープが昇降と車路を兼ねているため、駐車効率が最もよいのが特徴です。 他の形式に比べて10~30%は収容効率が高いといわれ、時間貸し駐車場など、狭い土地でもできるだけ多くの駐車台数を確保したい場合などに適しています。

使いやすい立体駐車場とは

使いやすい立体駐車場とは

使いやすい立体駐車場を建設すれば、リピーターを獲得できます。以下に条件についてまとめてみました。立体駐車場の建設を検討されている方は参考にしてみてください。

・駐車スペースが広い
・安全確認のための設備が充実している(機械式)
・入出庫の待ち時間が少ない
・雨風を避けるスペースがある

順に見ていきましょう。

駐車スペースが広い

車路が狭く切り返しが難しい、柱が多く駐車が難しいといった駐車場は利用者にとってストレスがたまります。その点、stageWは、柱の間が最大17.2mのスーパーロングスパン構造です。 中間柱が不要なため開放的で入出庫もスムーズに行うことができます。ゆとりがある空間のため、利便性の高いレイアウトにできるのもメリットです。
機械式駐車場の場合は、基本的に駐車スペースが狭いため、駐車作業が苦手な人にとって慣れるまでは大変かもしれません。また、高さや幅・重さを制限している駐車場も多いので、自分の車が駐車可能か事前に調べておく必要があります。

安全確認のための設備が充実している(機械式)

駐車場内で事故が起こらないために、設備への工夫は重要です。目視で確認できるミラーや、車内から見えづらい部分をチェックできるセンサーなどを設置しておきましょう。
立体駐車場の場合は、事故が起きると切断や死亡など重大な事故につながりやすいため、カメラやモニターなどの設置が重要です。 また操作パネルを勝手に操作できないよう暗証番号を設定するなどの対策も必要といえます。巻き込みを防ぐために、搬器の旋回部分を明示しておくなど、細やかな安全対策や設備を整えておきましょう。

安全対策についてはこちらの記事に詳しく書いています。参考にしてください。
立体駐車場で発生しやすい事故例と安全対策6選

入出庫の待ち時間が少ない

急いでいるときの入出庫の待ち時間は、利用者にとってイライラするものです。入出庫の待ち時間に関しては、自走式駐車場のほうが待ち時間が少なくスムーズといえます。 混雑時に空きスペースを見つけやすくするためにデジタル掲示板などを設置しておくと良いでしょう。

機械式立体駐車場の場合、駐車場の規模によって違いますが、1台につき平均出庫時間はおよそ2分~5分。1台だけであれば、自走式駐車場よりも早く出庫できるかもしれません。ただし、朝と夕方のラッシュ時などは要注意です。 例えば、前に数人並んでいたとしたら、自分の出庫まで約10分以上かかってしまいます。入出庫時間の短縮が可能なシステム導入を検討し、サービス向上を図りましょう。

雨風を避けるスペースがある

利用者の満足度を上げるためには、悪天候時の入出庫も想定しておく必要があります。ピット式などの機械式駐車場は屋根がないため、入出庫の間、雨風を防ぐ場所がありません。 台風などの豪雨が発生した時は水没する可能性もあり、悪天候の際は不便といえます。それに対して、自走式は屋上以外であれば壁と屋根があり、悪天候でも入出庫しやすいうえ、水没の危険はほとんどないでしょう。

使い方も簡単!国土交通大臣認定駐車場
stageWなら安心して利用できる

使い方も簡単!国土交通大臣認定駐車場stageWなら安心して利用できる

この記事では、立体駐車場の使い方について解説しました。所定のスペースに駐車すれば格納してくれる機械式立体駐車場は、限られた敷地でも多くの台数を駐車できるため、都市部では便利です。
ただし、安全に使ってもらうためには誤操作対策や事故防止対策など、気をつけるべきポイントが多いのも事実です。それに対して、自走式立体駐車場は見通しのよい環境を有しており安全対策もしやすいため、使いやすいといえます。 中間柱が少ないスーパーロングスパン構造のstageWであればなおさらです。

stageWは国土交通大臣認定の自走式立体駐車場メーカーとして、長年の実績があります。さまざまな事例からお客様のニーズにあった提案も可能です。自走式立体駐車場の建設を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。


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