自走式立体駐車場の防犯とは?懸念や防犯対策を解説

近年、都市部を中心に自走式立体駐車場が増加していますが、その利便性の裏側で、防犯上の懸念も高まっています。
不特定多数の人が利用する駐車場は、犯罪者にとって格好のターゲットとなりやすく、車両盗難や車上荒らし、いたずらなどの被害が後を絶ちません。
この記事では、自走式立体駐車場における具体的な防犯上の懸念事項を詳しく解説するとともに、
それらを未然に防ぎ、安全な駐車場運営を実現するための効果的な対策についてご紹介します。
また、万が一トラブルに巻き込まれてしまった際の対処法についても触れます。
「駐車場を運営しているが、防犯対策に不安がある」と感じている方は、ぜひこの記事を参考に、安全で快適な駐車場環境の実現に役立ててください。

自走式立体駐車場における防犯上の懸念

自走式立体駐車場における防犯上の懸念

自走式立体駐車場は、不特定多数の人が利用するため、さまざまな犯罪のリスクが潜んでいます。ここでは、特に注意すべき5つの懸念事項について解説します。

● 車両盗難
● 車内盗難
● 不審者の侵入
● 車両の傷つけや破損
● 無断駐車

それぞれ詳しく見ていきましょう。

車両盗難

自走式立体駐車場は、不特定多数の人が自由に出入りできるため、車両盗難のリスクがあります。特に、高級車や人気車種は盗難のターゲットになりやすい傾向があります。 車両盗難は、所有者にとって大きな経済的損失となるだけでなく、精神的なショックも与えます。 警察庁のデータによると、自動車盗難の件数は平成15年のピーク時6万4223件から約8千件へと大幅に減少しています。 ただし、盗難場所として「駐車場」は27%を占めており、決して安心はできません。 車両盗難を防ぐためには、後述する防犯対策を講じるとともに、利用者自身の防犯意識も重要になります。

警察庁|令和7年自動車盗難等の発生状況等について

車内盗難

車内に置いてある貴重品を盗む車内盗難も、自走式立体駐車場で発生しやすい犯罪の一つです。 ドアロックを解除したり、窓ガラスを割ったりして車内に侵入し、金品を盗みます。 死角になりやすい場所、例えばコンクリートの柱の陰や照明が弱い場所などは、車内盗難の犯行場所として狙われやすいので注意が必要です。 車内盗難を防ぐためには、車内に貴重品を置かないことが最も有効な対策となります。

不審者の侵入

自走式立体駐車場は、不特定多数の人が出入りするため、不審者の侵入を完全に防ぐことは難しいのが現状です。 不審者は、盗難やその他の犯罪目的で侵入する可能性があります。 夜間や人通りの少ない時間帯は、特に注意が必要です。不審者の侵入を防ぐためには、セキュリティゲートや防犯カメラなどの設置が有効です。

車両の傷つけや破損

いたずらや嫌がらせによって、車両が傷つけられたり、破損させられたりするケースも少なくありません。 また、当て逃げや、故意ではないものの気づかないうちに車両を傷つけてしまうケースもあります。 これらの行為は、車両の所有者に経済的な負担を強いるだけでなく、精神的な苦痛を与えるものです。 車両の傷つけや破損を防ぐためには、防犯カメラの設置や、利用者のマナー向上などが重要になってくるでしょう。

無断駐車

自走式立体駐車場では、利用者が許可なく長時間駐車する無断駐車も問題となっています。無断駐車は、ほかの利用者の迷惑になるだけでなく、駐車場の運営にも支障をきたします。 放置車両を勝手に撤去することは法律で禁止されており、警察への通報や所有者特定などの法的手続きを経て撤去しなければなりません。無断駐車を防ぐためには、利用規約の明確化や、警告看板の設置などが有効です。

自走式立体駐車場の防犯対策

自走式立体駐車場の防犯対策

自走式立体駐車場における具体的な防犯対策について6つ紹介します。複数の対策を組み合わせて犯罪の抑止効果を高め、安全な駐車場運営を実現させましょう。

駐車場の設計における工夫

駐車場の設計段階から防犯を考慮することが犯罪の発生抑制に繋がります。 例えば、通路を広めに確保して死角を最小限にしたり、柱の少ないロングスパン設計を採用したりすることで、見通しのよい駐車場となります。 国土交通省の駐車場設計・施工指針においても、防犯に配慮した設計が推奨されています。

防犯カメラの設置

防犯カメラは、犯罪の抑止や、万が一の事件発生時の証拠となります。死角が生まれないよう、適切な位置と台数を設置することが重要です。 防犯カメラの効果を高めるためには、カメラの設置場所を考慮した設計も重要になります。赤外線カメラや動体検知機能付きカメラなどの設置も有効です。

セキュリティゲートとアクセス管理

駐車場の入口にセキュリティゲートを設け、利用者だけがアクセスできるようにすることも、防犯対策として有効です。 ICカードや番号認証、車両ナンバー認識システムなどを導入し、出入りの管理を強化して不審者の侵入を防ぎましょう。

照明の強化

駐車場内が暗いと、犯罪が発生しやすくなります。昼間でも照明を維持し、明るい環境を保つことが重要です。明るい照明は、犯罪者の心理的な抑止効果も期待できます。 特に、人が少ない場所や死角には、重点的に照明を設置しましょう。夜間でも一定以上の明るさを確保することが、国土交通省の指針でも推奨されています。

地下駐車場における平均照度は原則として以下のとおりです。
● 車路:75~1501x
● 車路:75~1501x
● 車路:75~1501x

また、それ以外にも非常用照明と必要に応じて保安用照明の設置も義務付けられています。

参照:国土交通省|駐車場設計・施工指針について

監視員の配置

人的な監視は、犯罪抑止に大きな効果があります。特に、夜間や休日など、犯罪が発生しやすい時間帯に監視員を巡回させることが有効です。

ミラーや看板の設置

看板で注意喚起を促すことも、防犯対策として有効です。ドライバーの目に留まりやすい場所に設置し、太字や赤字にするなどして目立つようにしましょう。 また、見通しが悪い場所には、ミラーや警告ランプを設置することも有効です。これらの防犯対策に加えて、利用者の防犯意識を高めることも重要です。 貴重品は車内に放置しない、不審な人物を見かけたら管理者に連絡するなど、利用者一人ひとりの協力が、安全な駐車場運営に繋がります。

関連記事:立体駐車場で発生しやすい事故例と安全対策6選

トラブルに遭った際の対処方法

トラブルに遭った際の対処方法

万が一、自走式立体駐車場でトラブルに遭ってしまった場合に、どのように対処すればよいのでしょうか。 ここでは、状況に応じた適切な対処方法について解説します。冷静かつ迅速な対応が、被害の拡大を防ぎ、解決への糸口となります。

防犯カメラ映像を確認する

事件や事故が発生した場合、証拠となる防犯カメラの映像を確認することが重要です。 映像は、警察への届け出や、その後の示談交渉などで重要な証拠となります。ただし、個人情報保護の観点から、映像の取り扱いには注意が必要です。

警察へ通報する

事件や事故が発生した場合は、速やかに警察に通報してください。事件の場合は110番、事故の場合は119番に通報します。 通報時には、発生日時、場所、状況、被害の程度などをできる限り詳しく伝えましょう。 また、自身の安全を確保したうえで、可能であれば現場の保存に努めてください。

弁護士に相談する

法的手段を検討する場合は、弁護士に相談することをおすすめします。特に、損害賠償請求や刑事告訴などを検討する場合は、弁護士のサポートが不可欠です。 弁護士は、法律の専門家として、適切なアドバイスや手続きを行ってくれるでしょう。

保険会社へ連絡する

駐車場施設が原因で、利用者や近隣住民に損害が出た場合に備えて、保険に加入しておくことも検討しましょう。

例えば、次のようなケースが考えられます。
● 精算機が当て逃げされた
● 精算機荒らしに遭った
● 駐車場の壁を壊された
● 設置した看板が外れて利用者の車両を傷つけた

これらのケースに備えて、施設賠償責任保険、動産総合保険、機械保険、火災保険、自動車管理者賠償責任保険(有人管理の場合)などがあります。 保険に加入していれば、これらのトラブルによる損害を補償してもらえる場合があります。保険会社に連絡し、保険の適用範囲や請求手続きについて確認しましょう。

自走式立体駐車場についてはstageWにお任せください

自走式立体駐車場についてはstageWにお任せください

自走式立体駐車場の防犯対策は、専門的な知識と経験が必要です。設計から施工、管理まで、トータルでサポートできる業者に依頼することが、より安全で快適な駐車場運営に繋がります。
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